タイトル |
懸架式ロールベール用クランプ |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 |
2006~2010 |
研究担当者 |
喜田環樹
松尾守展
重田一人
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発行年度 |
2007 |
要約 |
ロールベールを、ベールグラブに比べて省スペースで省力的に搬送・解体可能な、クレーン付トラックやフォークリフトに装着する懸架式ロールベール用クランプ。
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キーワード |
ロールベール、搬送、解体
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背景・ねらい |
飼料作物の収穫調製で広く普及しているロールベールのハンドリングには、ベールグラブによる搬送が一般的であるが、ベールグラブを持たない場合や、取り回しの難しい狭所での利用場面も多い。また飼料イネ生産等でロールベールの広域流通場面が増えており、ベールグラブ以外の、安価で簡便な把持・搬送方法が求められている。そこで省力的搬送方法として、クランプ方式を用いた懸架式ロールベール用クランプについて報告する。
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成果の内容・特徴 |
- 懸架式の石材クランプを改良したロールベール用クランプで、90cm径のロールベールを把持できるように、把持幅・把持深さ・把持部の形状を変更したものである(図1)。クランプは自重50kg程で、シャックル部で懸架する。ロールベール持ち上げ時は、懸架したクランプを縦置きのロールベールの上部から差し入れ、接地板がロールベール上面に接するまで降下させてから、ストッパを解除しクランプを持ち上げると把持部が狭まりロールベールを挟み込む。移動後ロールベールを置く際は、全体を降下させ、ロールベールが接地後、さらにクランプの接地板がロールベール上面に接するまで降下させると、ストッパによりパンタグラフが開口した状態でロックされる。
- クレーン付トラックにクランプを懸架することで、1台でロールベールの積み込み、積み下ろしが可能である(図2)。ロールベール6個の積み込みに8分、積み下ろしを6分程で可能である。リモコン付クレーンの場合は1人作業が可能である。
- フォークリフトのフォークにクランプを懸架することで、ロールベールを容易に搬送できる(図3)。
- 4. 搬送中のロールの変形は小さく、ラップフィルムの損傷はない。把持した状態でロール下部のラップフィルムと結束ネットやトワインを除去し、解体場所に静置し、残りのラップフィルムと結束ネット・トワイン等を外すことで、ロールベールを容易に解体できる(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- クランプ製作費は鋼材費換算で10万円程で、電力・油圧等の動力は必要としない。
- クレーン付トラックの場合は飼料イネ生産圃場等から搬出作業等の利用が、フォークリフトの場合はベールグラブを所有していない農家での利用が想定される。
- 想定ロールベール重は400kg程度である。作業の安全確保には十分配慮が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
飼料作物
ワイン
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