テオシントの不定根形成能遺伝子を持つトウモロコシ準同質遺伝子系統

タイトル テオシントの不定根形成能遺伝子を持つトウモロコシ準同質遺伝子系統
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2006~2010
研究担当者 間野吉郎
黄川田智洋
伊東栄作
佐藤尚
高溝正 
発行年度 2007
要約 近縁種テオシントが持つ耐湿性に関係する不定根形成能を支配するQTLを導入したトウモロコシ準同質遺伝子系統は、湛水条件下での地表の不定根形成能が優れる。本系統は耐湿性トウモロコシの育種素材としての利用が期待できる。
キーワード 耐湿性、トウモロコシ、テオシント、不定根、準同質遺伝子系統、QTL
背景・ねらい わが国のトウモロコシ栽培において湿害が深刻な問題となっておりトウモロコシの耐湿性の強化が強く望まれている。トウモロコシの近縁種であるテオシントは耐湿性が強く,耐湿性育種を行う際の重要な遺伝資源と考えられる。そこで、テオシントの持つ耐湿性に関係する不定根形成能を支配するQTLをトウモロコシに導入した準同質遺伝子系統を作出する。
成果の内容・特徴
  1. 本準同質遺伝子系統は、トウモロコシ自殖系統B64にテオシントZea mays ssp. huehuetenangensisの第5と第8染色体に座乗する不定根形成能を支配するQTLの候補領域(第5はbnlg1660-umc1747の約30cM、第8はumc1777-bnlg240の約20cM)を連続戻し交雑によって導入した系統(BC4F3世代)である。
  2. この系統は、B64と比較して、播種後2週間目の幼植物に地表から上3cmの湛水処理を行った際の地表の不定根形成能が優れ(図1)、特に湛水処理後の早い時期に明瞭な差異が見られる(表1、表2)。
  3. この系統は、B64と比較して湛水条件下における生育(地上部乾物重、節根乾物重)が優れる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. この系統は、耐湿性を持つトウモロコシ優良自殖系統作出のための育種素材として活用できる。
  2. この系統は、B64と比較して通常栽培(非湛水条件下)における生育も優れるため、QTLの領域以外のテオシントの染色体断片が含まれている可能性がある。
図表1 227188-1.gif
図表2 227188-2.gif
図表3 227188-3.gif
カテゴリ 育種 遺伝資源 湿害 耐湿性 とうもろこし 播種

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