鶏ヒナの骨格筋タンパク質分解を抑制するアミノ酸

タイトル 鶏ヒナの骨格筋タンパク質分解を抑制するアミノ酸
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2006~2007
研究担当者 中島一喜
石田藍子
勝俣昌也 
発行年度 2007
要約 鶏ヒナにおいてGlu、Gly、Ala、Leu、Ile、Ser、Thr、Met、Trp、Asn、 Gln、Pro、LysならびにArgは骨格筋タンパク質分解を抑制する。このうちGlyでは血中のコルチコステロン濃度を低下させることにより骨格筋タンパク質分解を抑制する。
キーワード アミノ酸、鶏ヒナ、タンパク質分解、骨格筋、コルチコステロン
背景・ねらい 骨格筋は最大のタンパク質蓄積器官であり、タンパク質合成と分解のバランスによって維持されている。近年、アミノ酸が骨格筋においてタンパク質合成促進のシグナル因子としての役割を果たしていることが明らかになりつつあるが、骨格筋タンパク質分解に対するアミノ酸の作用機構については十分に検討されていない。骨格筋タンパク質分解の制御が可能になれば、正味タンパク質蓄積量が増加し、効率的な畜産物生産を実現することができる。そこで、アミノ酸の骨格筋タンパク質分解に対する作用を明らかにし、アミノ酸栄養制御による効率的な畜産物生産の実現を目指す。
成果の内容・特徴
  1. ヒナを用い、24時間絶食後、20種類のアミノ酸(225mg/100g体重)を蒸留水に懸濁したもの(対照区は蒸留水のみ)をそれぞれ強制的に給与し、骨格筋タンパク質分解の指標として血中3-メチルヒスチジン濃度を測定すると、血中3-メチルヒスチジン濃度はGlu、Gly、Ala、Leu、Ile、Ser、Thr、Met、Trp、Asn、Gln、Pro、Lys ならびにArg給与により対照に比べ低下する。Asp、Val、Pheおよび Tyrでは変化は見られない (図1)。
  2. このうちGlyでは給与量の増加に伴い、骨格筋タンパク質分解は低下する(図2)。
  3. Glyを給与した鶏ヒナのストレスホルモンで骨格筋タンパク質分解を促進する血中コルチコステロン濃度は低下する(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. ストレス暴露などの骨格筋タンパク質分解が亢進しているときに、Glu、Gly、Ala、Leu、Ile、Ser、Thr、Met、Trp、Asn、 Gln、Pro、Lys ならびにArgのいずれかを給与することにより、骨格筋におけるタンパク質の蓄積を維持する飼養技術開発のための基礎的知見として活用できる。
  2. Cysは毒性が強いアミノ酸であるので、給与する場合注意を要する。
図表1 227198-1.gif
図表2 227198-2.gif
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