ウンカ類の酵母様共生微生物の分子分類

タイトル ウンカ類の酵母様共生微生物の分子分類
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究期間 1993~1993
研究担当者
発行年度 1993
要約 培養が難しく、分類・同定の困難な共生微生物の類縁関係を調べるために、リボソームRNAの部分塩基配列を解読し、イネのウンカ類の酵母様共生微生物が子のう菌の核菌類に極めて近いものであることを明らかにした。
背景・ねらい 昆虫の共生微生物は培養困難なものが多い。したがって、種名はお
ろか分類上の位置も明確ではない。まず、研究対象である生物の種
類を特定すること、そして昆虫のグループごとにどのような微生物
が体内共生したかを明らかにするために、本研究を開始した。近年
、分子生物学的手法の発達により、ある生物の遺伝子の塩基配列の
一部を解読し、他の生物のものと比較することにより、その生物を
分類することができるよになってきた。
そこで、ウンカ類の酵母様共生微生物についてリボソームRNA遺伝
子の部分塩基配列を解読し、どのような菌類が共生しているのかを
明らかにしようとした。また、この手法を用いた共生微生物の同定
・確認についての有効性もあわせて検討した。
成果の内容・特徴
  1. パン酵母のリボソームRNA遺伝子の塩基配列を利用したDNAプラ
    イマーを用い、トビイロウンカ、セジロウンカ、ヒメトビウンカの
    酵母様共生微生物のリボソームRNA遺伝子の一部をPCRによって
    増幅した。そして、その塩配列を直接シーケンサーで解読した。
  2. 宿主ウンカと酵母様共生微生物のリボソームRNA遺伝子の塩基配
    列は、明らかに異なったが、ウンカ種間、共生微生物間では極めて
    類似していた。
    (図1)
  3. ウンカ類の酵母様共生微生物は一種類で、それぞれのウンカの共生
    微生物は共通の祖先種から派生したと考えられた。さらに、DNAデ
    ータベース(DDBJ )を利用して微生物間の近縁関係を調査し、こ
    の酵母様共生微生物が子のう菌の核菌類に極めて近い微生物である
    ことを明らかにした。
    (図2)
成果の活用面・留意点 この結果は、昆虫共生微生物の起源およびその働きを考える上で重
要な基礎資料であり、今後培養法の開発にも役立つ。また、この遺
伝子塩基配列から分類する手法は培養の困難な微生物の分類・同定
に利用できる。
図表1 227252-1.gif
図表2 227252-2.gif
カテゴリ ヒメトビウンカ

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