| タイトル |
硫酸化絹フィブロインの抗HIV活性 |
| 担当機関 |
蚕糸・昆虫農業技術研究所 |
| 研究期間 |
2000~2002 |
| 研究担当者 |
玉田 靖中島秀喜(鹿児島大学歯学部
抗HIV評価)
|
| 発行年度 |
2000 |
| 要約 |
クロロ硫酸で処理した絹フィブロインは、HIV(エイズウイルス)に感染したT細胞の細胞障害を防ぐ抗HIV活性があることが見出され、この抗HIV活性は、硫酸化絹フィブロインが、HIV粒子のCD4+細胞への吸着を阻害しているものと推定された。
|
| 背景・ねらい |
ヘパリンやコンドロイチン硫酸等の硫酸化多糖には、抗血液凝固作用、細胞増殖因子の活性化等の多様な生理活性が知られている。われわれは、絹タンパク質を硫酸化することにより抗血液凝固活性を付与できることを見出し、その抗血液凝固機構を解明してきた。クロロ硫酸処理により硫酸化したフィブロインの抗血液凝固機構はヘパリンのそれと類似していることから、他の生理活性の存在も期待できる。そこで、硫酸化絹フィブロインの抗HIV活性を検討した。
|
| 成果の内容・特徴 |
- 絹フィブロインをクロロ硫酸/ピリジン複合体で硫酸化することで、0.8mmol/gと0.5mmol/gの硫酸基を導入した硫酸化絹フィブロイン(SclFib#1, SclFib#2)を合成した。
- SclFib#1 と#2 は、13.2μg/mlの効果濃度でHIV感染T細胞(HIV-MT4)の細胞障害を防いだが、導入硫酸基量に関しては、この範囲では抗HIV活性に影響がなかった。HIVに感染していない細胞(MT4)は、高濃度の硫酸化絹フィブロインを添加しても細胞毒性が観察されなかった(図1)。各種のHIV株に対しても有効であった。
- フローサイトメトリーの結果から、HIV粒子のCD4+細胞への吸着を硫酸化絹フィブロインが阻害している抗HIV機構が推定された。
- 多核巨細胞形成が抑制されることから、硫酸化絹フィブロインはHIVエンベロープ糖タンパク質gp120とCD4+分子の結合を阻害しているものと推定された。
|
| 成果の活用面・留意点 |
硫酸化絹フィブロインは細胞毒性がない安全な抗HIV物質であるが、活性が従来の薬剤より低いこと、基材がタンパク質であることなどを考慮して、その利用用途を開発する必要がある。
|
| 図表1 |
 |
| カテゴリ |
薬剤
|