クルメツツジにおけるモチツツジおよびキシツツジの遺伝的関与の判別法

タイトル クルメツツジにおけるモチツツジおよびキシツツジの遺伝的関与の判別法
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1995~1998
研究担当者 岡本章秀
野中瑞生
発行年度 1995
要約 ヤマツツジ節野生種は毛状突起の有無と気孔およびその周囲の表皮細胞の形状に節内変異をもつ。これらの形質は、園芸品種に対するモチツツジおよびキシツツジの遺伝的関与を示す指標となる。これを利用して、クルメツツジにモチツツジおよびキシツツジの遺伝的関与を認めた。
キーワード ヤマツツジ節野生種、毛状突起、気孔、表皮細胞、節内変異、モチツツジ、キシツツジ、クルメツツジ野菜・茶業試験場 久留米支場 花き研究室
背景・ねらい  クルメツツジの成立はヤマツツジ、サタツツジおよびミヤマキリシマの種間交雑に由来
するとされる。しかし品種群内の変異をみると、この3種の遺伝的影響からでは説明でき
ない形質もあり、他の野生種からの遺伝子の移入が推定される。そこで、野生種の遺伝的
関与を判別できる形質を明らかにし、クルメツツジの新品種育成に資する。
成果の内容・特徴
  1. わが国に自生するヤマツツジ節野生種のなかで、モチツツジとキシツツジは葉脈に毛
    状突起をもつ。(図1)
  2. ヤマツツジ節野生種は、気孔およびその周囲の表皮細胞の形状から7型に類別できる。
    このときケラマツツジ、モチツツジ、キシツツジおよびチョウセンヤマツツジは種固有の
    特性を示す。(表1)(表2)
  3. モチツツジやキシツツジを起源とする園芸品種は毛状突起をもち、気孔およびその周
    囲の表皮細胞の形状はモチツツジ、あるいはキシツツジと同様である。
  4. 毛状突起と気孔およびその周囲の表皮細胞の形状は、モチツツジおよびキシツツジの
    遺伝的関与を示す形態的指標になる。
  5. クルメツツジは、品種群成立の初期からモチツツジおよびキシツツジの遺伝的関与が
    認められる。(表3)
成果の活用面・留意点
  1. クルメツツジ品種に関与した野生種の推定に役立ち、遺伝解析や育種研究に利用できる。
  2. 毛状突起はモチツツジでは春葉、夏葉ともにみられるが、キシツツジでは夏葉のみに
    みられる。
図表1 227463-1.gif
図表2 227463-2.gif
図表3 227463-3.gif
図表4 227463-4.gif
カテゴリ 育種 新品種育成 品種

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