タイトル |
バイオセンサを用いた茶品質の迅速評価 |
担当機関 |
野菜・茶業試験場 |
研究期間 |
1993~1995 |
研究担当者 |
後藤哲久
向井俊博
堀江秀樹
木幡勝則
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発行年度 |
1995 |
要約 |
バイオセンサを用いることにより、茶浸出液中の遊離アミノ酸、グルタミン酸、タンニンの迅速定量が可能で、これを茶品質の評価に用いることができる。価
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キーワード |
バイオセンサ、茶浸出液、遊離アミノ酸、グルタミン酸、タンニン、品質、評価
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背景・ねらい |
全窒素や遊離アミノ酸などの化学分析値が、茶の品質指標になることが明らかにされて きたが、従来の化学分析法では、茶浸出液の分析に時間と熟練を要する。そこで、化学分 析法より簡便・迅速に茶浸出液中の品質成分を定量できる手法として、バイオセンサ法の 応用を試みた。
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成果の内容・特徴 |
- L-アミノ酸オキシダーゼを固定化した膜を酸素電極と組み合わせ、酵素の作用でア
ミノ酸を酸化する際に消費される酸素をモニタすることにより、茶浸出液中の遊離アミノ 酸の濃度を測定するバイオセンサを作製した(図1)。 また、グルタミン酸オキシダーゼ固定化膜、あるいはゴボウの組織切片を酸素電極と組み 合わせることにより、それぞれ茶浸出液中のグルタミン酸あるいはタンニンの濃度を測定 することができた。
- バイオセンサをフローインジェクション分析に組み込み、パソコンを用いて計測する
システムを開発した(図2)。本装置により、茶浸出 液中の遊離アミノ酸及びグルタミン酸の濃度を同時に、試料液注入後2分以内に表示する ことが可能である。
- 本バイオセンサで得られる茶浸出液中の遊離アミノ酸の定量値は、従来の化学分析法
による遊離アミノ酸の合計量と相関が高く(図3)、 本システムは茶の品質評価に用いることができる。また、グルタミン酸の濃度も同時定量 可能なので、下級茶の呈味改善のために添加されたグルタミン酸塩の判別にも用いること ができる。(図4)
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成果の活用面・留意点 |
- 茶の製造、流通の各段階で品質評価やグルタミン酸塩の添加のチェックに用いること
ができる。
- 酵素膜は失活しやすいため、保存・管理に注意する必要がある。
- 本法を普及させるには、装置の小型化・廉価化とともに、酵素膜の安定した供給が必
要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
ごぼう
茶
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