メロンつる枯病抵抗性の葉柄接種検定法

タイトル メロンつる枯病抵抗性の葉柄接種検定法
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1996~2000
研究担当者 若生忠幸
石内傳治
発行年度 1996
要約  幼苗の葉柄への接種法によるメロンつる枯病に対する抵抗性の安定的な検定法を確立した。本法により、幅広い抵抗性の品種間差異が認められ、抵抗性素材の検索、抵抗性の系統選抜、遺伝様式の解析が可能になる。
キーワード 幼苗、葉柄、接種法、メロンつる枯病、抵抗性、検定法野菜・茶業試験場 野菜育種部 ユリ科育種研究室
背景・ねらい  メロンのつる枯病は、生産上最も重要な病害の1つであり、育種的な克服が遅れている。この一因としては、安定的な抵抗性の検定技術が確立されていないために、育種素材や抵抗性の遺伝様式が十分に解明されていないことがあげられる。そこで、幼苗を用いた早期検定が可能で、従来の針接種法より安定的な接種検定法を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 接種方法:第3~4本葉展開期メロン幼苗の第2または第3本葉を1cmの葉柄を残して切除する。葉柄切断面に1×10個/ml濃度のつる枯病菌胞子懸濁液または寒天培地ごと2mm角に切り出した菌叢ブロックを付着させ、25℃前後、高湿度条件に保つ。
  2. 抵抗性の評価:接種後3日以内に葉柄部に病斑が現れる。罹病性品種‘夏系6号’では、その後茎部へ速やかに病斑が拡大するのに対し、抵抗性品種‘蜜糖’では、茎部病斑の進展が極めて遅い(図1)。接種1~2週間後の症状の程度から、抵抗性を判定する。
  3. 検定精度:本接種法では、接種源に1×10~10個胞子/ml及び菌叢ブロックを用いた場合、発病株率、病斑進展速度に及ぼす接種濃度の影響が、従来の茎への針接種と比べて極めて小さく、各品種の抵抗性は安定して発現する(表1)。
  4. 品種間差異:本検定法により、抵抗性の品種間差異が認められ、‘メロン中間母本農1号’及び‘同農2号’は抵抗性を示したが、大部分の市販品種は罹病性であった。抵抗性素材はマクワウリ、シロウリ、雑草メロンに多数存在すると考えられる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 本検定法は、抵抗性素材の検索、育成系統の選抜、抵抗性の遺伝様式の解析、つる枯病菌の病原力の解析等に活用できる。
  2. 胞子懸濁液を用いる方が接種を迅速に行うことができるが、胞子を形成しない菌株を用いる場合には、菌叢ブロックを接種する。
  3. つる枯病の発病は、温度・湿度等の外的条件による変動が大きいため、検定は常に一定の環境下で行うことが望ましい。
図表1 227491-1.gif
図表2 227491-2.gif
図表3 227491-3.gif
カテゴリ 病害虫 育種 雑草 しろうり 抵抗性 抵抗性検定 抵抗性品種 品種 まくわうり メロン ゆり

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