カランコエのアグロバクテリウムによる形質転換系

タイトル カランコエのアグロバクテリウムによる形質転換系
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者 間 竜太郎
柴田道夫
発行年度 1996
要約  ベンケイソウ科花きのカランコエにおいて、アグロバクテリウムによる効率の高い形質転換系を開発した。本転換系は遺伝子のサイレンシング(不活化)現象の解析実験系として有用である。
キーワード カランコエ、アグロバクテリウム、形質転換系野菜・茶業試験場 花き部 育種法研究室
背景・ねらい  形質転換技術は花きの育種において、ウイルス抵抗性の付与、花の日持ち性の延長あるいは新花色の作出などに幅広く利用できるものと考えられる。現在、アグロバクテリウム( Agrobacterium tumefaciens )による形質転換が最も一般的であるが、花きで形質転換系が確立されている例は少ない。そこで、カランコエ( Kalanchoe blossfeldiana )においてアグロバクテリウムによる形質転換系を開発する。
成果の内容・特徴
  1. カランコエの1,000葉切片当り約100の形質転換植物を得ることができる効率の高い形質転換系で手順は次の通りである(図1)。無菌植物の葉切片(5mm角)をアグロバクテリウム(系統LBA4404)液に浸した後4日間共存培養する。その後、選抜培地に移し2週間毎に植替え、10週間後伸長培地に移す。伸長した不定芽を発根テスト培地で培養し、発根・生長の有無によりカナマイシン抵抗性を調べ、最終的に形質転換体を選抜する。
  2. 除草剤ビアラホスに対して抵抗性を示す bar遺伝子を、これらの手順により導入した形質転換植物は、ビアラホスを散布しても枯死しない(図2)。
  3. βーグルクロニダーゼ(GUS)遺伝子を3種類の異なるプラスミドによって導入した形質転換植物におけるGUS活性レベルには明らかな個体差が認められ、いずれの集団においても活性のほとんどない個体の割合が高い(図3)。サザン分析の結果、活性のほとんどない個体においてもGUS遺伝子の存在が確認され、同遺伝子はサイレンシング(不活化)されているものと考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果はカランコエの遺伝子組換えによる育種に利用できる。また、遺伝子のサイレンシング現象の解析実験系としても利用できる。
  2. 再分化シュートの中には、非形質転換体が含まれていることがあるので、発根テスト等により確認する必要がある。
図表1 227505-1.gif
図表2 227505-2.gif
図表3 227505-3.gif
カテゴリ 病害虫 育種 カランコエ 除草剤 抵抗性

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