寒冷地における短日処理によるイチゴの当年苗の花芽分化促進と端境期出荷

タイトル 寒冷地における短日処理によるイチゴの当年苗の花芽分化促進と端境期出荷
担当機関 花芽分化
研究期間 1997~2000
研究担当者 安場健一郎
古谷茂貴
浜本 浩
発行年度 1997
要約 寒・高冷地において、イチゴの早生品種の当年苗に反射性被覆資材を用いて、6月中下旬から25日間、8時間の短日処理を行うことにより、冷蔵施設を用いずに花芽分化を促進し、単価が高い9~10月の端境期に出荷することができる。(keyword) 寒・高冷地、イチゴ、早生品種、反射性被覆資材、短日処理、花芽分化、端境期
キーワード 寒・高冷地、イチゴ、早生品種、反射性被覆資材、短日処理、 花芽分化、端境期
背景・ねらい  イチゴの端境期は7~10月であり、夏秋イチゴの国内生産はほとんど行われていない。この時期の輸入イチゴは品質が劣るため、国産の品質の良いイチゴの生産が望まれている。これまで暗黒低温処理や夜冷短日処理による端境期出荷も検討されたが、施設が必要で、処理コストが高いため、寒・高冷地では普及していない。そこで、夏期冷涼な寒・高冷地の気象条件を活かして、短日処理により低コストでイチゴの花芽分化を促進し、主力品種を端境期に出荷する技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 2月から‘女峰’等の早生品種の親株を保温してランナーの発生を促進して、5月中旬までに苗採りを行い、地床、またはポットで育苗する。短日処理前の窒素中断は不要である。
  2. 6月中下旬から25日間、8時間日長となるように苗を反射性被覆資材でトンネル状に覆って、短日処理する(表1)。週に1回、短日処理を行わない日があっても、処理有効株率は低下しない。処理終了時に花芽分化を確認後、直ちに無被覆のハウス内に定植する。
  3. 出蕾後に雨よけの被覆を行い、9月から頂果房の果実を収穫する(表3)。その後、無加温で、越冬させて春の出蕾開花期に保温し、5月から再び収穫する。収量は秋どりで1~1.5t/10a程度である。一果重は短日処理の開始時期が早まるにつれて低下する(表3)。
  4. 暗黒低温処理や夜冷短日処理に比べて、大がかりな施設を用いずに、低コストで花芽分化を促進し、単価が高い端境期に‘女峰’等の主力品種を出荷することができる。主力品種を用いるため、春どりの果実も出荷できる。
成果の活用面・留意点
  1. 冷涼な地域の気象資源を活かして、低コストで単価が高い端境期に出荷することができ、寒・高冷地におけるイチゴの新作型として普及が期待される。
  2. 短日処理による花芽分化を安定させ、また、果実品質の低下を避けるために、適用地域は東北地方以北と高冷地とする。
  3. うどんこ病と灰色かび病の防除は十分に行う。
図表1 227524-1.gif
図表2 227524-2.gif
図表3 227524-3.gif
カテゴリ 病害虫 育苗 いちご うどんこ病 コスト 栽培技術 出荷調整 低コスト 品種 防除

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