トウガラシ辛味成分(カプサイシノイド)の簡易少量検定法

タイトル トウガラシ辛味成分(カプサイシノイド)の簡易少量検定法
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 阿南豊正
伊藤秀和
吉田建実
佐藤隆徳
松永 啓
門馬信二
発行年度 1997
要約  トウガラシの辛味成分(カプサイシノイド)の含有量を、少量のサンプルから短時間で評価する簡易検定法を確立した。本方法は、ピーマン育種で辛味のない個体の選抜に有効である。
キーワード トウガラシ、辛味成分、簡易検定法、ピーマン育種、選抜野菜・茶業試験場 野菜育種部 ナス科育種研究室
背景・ねらい  ピーマンの育種においては、育種素材としてトウガラシを用いることが多く、育種過程において辛味成分(カプサイシノイド)を有する個体の選抜除去が必要である。しかし、官能検査では舌の能力と評価可能な個体数に限界があり、育種の効率化を図るには、辛味の無い個体を選抜するための官能検査に代わる選抜法が望まれる。そこで少量のサンプルから短時間で辛味成分含有量を評価する方法を確立した。
成果の内容・特徴
  1. 測定方法:
     1)胎座組織を切り出し、マイクロチューブに入れる。
     2)四塩化炭素を加え激しく撹拌し、抽出液を新しいマイクロチューブに移す。
     3)水酸化ナトリウム液を加え激しく撹拌する。
     4)3,000rpmで遠心分離し、上清を新しいマイクロチューブに移す。
     5)246nm吸光度を測定する。
  2. 抽出の精度・効率:
     本簡便抽出法による辛味成分の回収率は、胎座組織を完全に摩砕する抽出法に比べ、約65%である。本法により1日当たり 200個体の検定が可能であり、これは従来法の約2倍の効率である。
  3. 結果の評価:
     246nm吸光度が 0.1以下のものは辛味は感じられず、1.2以上では強い辛味、0.1 から1.2ではそれらの中間的な辛味が感じられる。
  4. 育種選抜:
     吸光度 0.1以下の個体を選抜することにより、中辛~強辛味個体の選抜除去を効率的に行える。
成果の活用面・留意点
  1. 本法により、特に辛味の強いトウガラシを素材としたピーマンの育種が効率的に行える。なお、辛味成分含量は栽培条件によっても変動すること、本法の定量性は高くないことから、選抜個体については官能検査による確認が必要である。
  2. 辛味成分は水に溶け難く、少量のサンプルを扱うことから、胎座の切り出しに用いたメス等は、毎回エーテル等で洗浄する必要がある。
図表1 227537-1.gif
図表2 227537-2.gif
図表3 227537-3.gif
図表4 227537-4.gif
カテゴリ 育種 簡易検定法 栽培条件 とうがらし なす ピーマン

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