嫌気条件下におけるブロッコリーからの含硫揮発性成分の発生(研究)

タイトル 嫌気条件下におけるブロッコリーからの含硫揮発性成分の発生(研究)
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1998~1999
研究担当者 永田雅靖
山下市二
壇 和弘
発行年度 1998
要約 嫌気条件下でブロッコリーから発生する異臭成分として、メタンチオールやジメチルジスルフィド等の含硫揮発性成分を同定した。これらの含硫揮発性成分は、嫌気条件下で生体膜の機能が低下することにより、健全な細胞内では離れて存在していた酵素と基質の局在性が失われ、両者が接触することにより生成される。
キーワード ブロッコリー、メタンチオール、ジメチルジスルフィド、含硫揮発性成分、生体膜野菜・茶業試験場 生理生態部 輸送貯蔵研究室
背景・ねらい  低酸素・高二酸化炭素環境は青果物の呼吸を抑制し、鮮度保持に効果があることが知られている。
しかし、貯蔵する青果物によって最適環境ガス濃度は異なり、環境中の酸素濃度が低すぎたり、
あるいは二酸化炭素濃度が高すぎると様々なガス障害が発生する。ここでは、ブロッコリーを材料に
用い、ガス障害の一つである異臭発生の機構解明について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 嫌気条件下でブロッコリーを貯蔵すると著しい異臭が発生する。そのヘッドスペースガスからエタノール、アセトアルデヒドの他に、メタンチオールやジメチルジスルフィドといった含硫揮発性成分が同定された(データ略)。
  2. 含硫揮発性成分は、嫌気条件下で生体膜の機能が低下することにより(図1、2)、健全な細胞内では離れて存在していた酵素と基質の細胞内局在性が失われ、その結果、酵素と基質が接触することによって生成されると考察される(図3)。
  3. 花蕾部からの含硫揮発性成分の発生量は葉部や茎部に比べ極めて多い。それは、花蕾部で含硫揮発性成分の生成に関与する酵素の活性が高く、前駆物質の含量が多いことによる(図4)。
  4. ブロッコリーの主要な栽培品種の中に嫌気条件下で含硫揮発性成分の発生が極めて少ない品種は見いだされていない(データ略)。
成果の活用面・留意点
  1. ブロッコリーの流通条件を改善する上での基礎資料になる。
  2. ブロッコリーで明らかした嫌気条件下における含硫揮発性成分の発生機構は、他のBrassica属作物にもあてはまる。
図表1 227559-1.gif
図表2 227559-2.gif
図表3 227559-3.gif
図表4 227559-4.gif
カテゴリ 品種 ブロッコリー 輸送

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