揮発性静菌物質生産糸状菌によるパセリうどんこ病の防除(研究)

タイトル 揮発性静菌物質生産糸状菌によるパセリうどんこ病の防除(研究)
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 小板橋基夫
発行年度 1998
要約 未同定糸状菌Kyu-W63菌は、揮発性抗菌物質を生産してパセリうどんこ病菌の胞子発芽を抑制するとともに、設施内のパセリうどんこ病の防除にも効果を示す。
キーワード Kyu-W63菌、揮発性抗菌物質、設施、パセリうどんこ病、防除野菜・茶業試験場・久留米支場・病害虫研究室
背景・ねらい パセリうどんこ病は登録農薬の少ないことや抵抗性品種がないことから難防除病害となっている。
コムギうどんこ病の発病を抑える糸状菌Kyu-W63を選抜し、その発病抑制効果が本菌の生産する
揮発性成分(ペンチルフルアルデヒド)によるものであり、その抗菌スペクトラムが広く、
他の病原糸状菌の生育も抑制することを解明した。そこで、本菌を用いた施設内のパセリうどんこ病の
生物防除法の開発をする。
成果の内容・特徴
  1. 素寒天培地上にパセリうどんこ病菌の分生胞子を散布し、上からKyu-W63菌を培養したペトリ皿を被せたところ、対照としてPDA培地だけのペトリ皿を被せたものに比べて分生胞子の発芽を顕著に(70%)阻害する(表1)。
  2. 縦17m、横5.4mのパイプハウスで、Kyu-W63菌処理区ではポリカーボネート製ポット(100×110×100mm)に100mlのPDA培地を流し込み、本菌を培養して口をガーゼで覆ったものを1m2当たり3.1個設置した結果、発病度が半減し(表2)、本菌は施設内のパセリうどんこ病の発病を強く抑制する(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. ハウスの換気は慣行栽培同様でよい(昼はハウスを開放し、夜間は閉鎖する)。
  2. 本菌の生産する揮発性物質が風により移動し、抑制効果が各区によりばらつきが認められた。実用化には施用法の改良が必要である。
  3. 発病を抑えるためのペンチルフルアルデヒドの有効濃度を明らかにする必要がある。
  4. ペンチルフルアルデヒドの安全性について検討する必要がある。
図表1 227579-1.gif
図表2 227579-2.gif
図表3 227579-3.jpg
カテゴリ 病害虫 うどんこ病 害虫 抵抗性品種 農薬 防除

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