| タイトル |
ストックの花芽分化におけるジベレリンの役割(研究) |
| 担当機関 |
野菜・茶業試験場 |
| 研究期間 |
1998~1998 |
| 研究担当者 |
Lewis N. Mander (オーストラリア国立大)
久松 完
腰岡政二
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| 発行年度 |
1998 |
| 要約 |
ストックにおいては、ジベレリン生合成経路のうち、早期13位水酸化経路および13位非水酸化経路が機能している。また、花芽分化の制御には活性型ジベレリンが関与し、その活性型ジベレリンは13位非水酸化経路上のGA size=-2>4である。
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| キーワード |
ストック、ジベレリン、早期13位水酸化経路、13位非水酸化経路、GA野菜・茶業試験場 花き部 開花制御研究室
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| 背景・ねらい |
ストックの花芽分化にジベレリン(GA)が関与することが推察されている。しかし、その詳細は明らかでない。そこで、内生ジベレリンの生合成機能の面から花芽分化におけるジベレリンの役割を解析し、その果たす役割を解明する。
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| 成果の内容・特徴 |
- ストックの茎葉部および花らい部から、GC-MSにより、内生ジベレリンとして13位が水酸化された5種類、GA size=-2>1、GA size=-2>8、GA size=-2>19、GA size=-2>20、GA size=-2>53および13位が水酸化されていない6種類、GA size=-2>4、3-epi-GA size=-2>4、GA size=-2>24、GA size=-2>34、GA size=-2>37、GA size=-2>112を同定した。これらの存在から、ストックの茎葉部および花らい部では早期13位水酸化経路および13位非水酸化経路の2経路が主に機能していることが示される(図1)。
- ジベレリン生合成阻害剤のウニコナゾール(UCZ)処理で内生ジベレリン濃度を下げることにより、花芽分化は抑制された。その抑制はGA size=-2>4処理により回復した。(図2)
- 数種GAに対する反応から、花芽分化過程における主な活性型ジベレリンはGA size=-2>4であることを明らかにし、GA size=-2>4の生合成に関わる13位非水酸化経路の機能が重要な役割を担っていることを示した(図1,3)。活性型ジベレリン(GA size=-2>4)の不活性化機構である2b位の水酸化を、メチル基の2位への導入(2,2-diMe-GA size=-2>4)あるいはジベレリン生合成阻害剤のプロヘキサジオンカルシウム(PCa)により阻害することでGA size=-2>4の効果が高くなることから、2b位の水酸化機能が花芽分化に関与している可能性がある(図1,3)。
- 活性型ジベレリン(GA size=-2>4)の不活性化機構である2b位の水酸化を、メチル基の2位への導入(2,2-diMe-GA sixe=-2>4)あるいはジベレリン生合成阻害剤のプロヘキサジオンカルシウム(PCa)により阻害することでGA4の効果が高くなることから、2b位の水酸化機能が花芽分化に関与している可能性がある(図1,3)。
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| 成果の活用面・留意点 |
- 花芽分化にジベレリンが関与するとされる植物の花芽分化機構の解明のための基礎資料となる。
- ジベレリンおよび関連化合物によるストックの新しい開花調節技術開発につながる。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| カテゴリ |
ストック
茶
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