茶葉における傷害誘導性プロティナーゼインヒビターの活性発現(研究)

タイトル 茶葉における傷害誘導性プロティナーゼインヒビターの活性発現(研究)
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間
研究担当者 吉田克志
渡辺利通
本間知夫
発行年度 1998
要約 茶葉が切断されると傷害葉および傷害葉の上位・下位につく無傷害葉(上位葉・下位葉)で傷害誘導性プロテイナーゼインヒビターの活性が発現される。この活性は未成葉でのみ認められ,成葉では発現されない。
キーワード 茶葉、傷害葉、傷害誘導性プロテイナーゼインヒビター、未成葉野菜・茶業試験場 茶栽培部 作業技術研究室
背景・ねらい  植物には傷害に対する防御反応が備わっており,傷害誘導性プロテイナーゼインヒビターの発現もその一つである。チャの栽培管理において,摘採,整・せん枝という樹冠部の切断作業が繰り返し行われるが,茶樹における傷害反応については明らかにされていない。茶樹の傷害反応機構を明らかにするために,茶葉における傷害誘導性プロテイナーゼインヒビター活性の発現様式について調査する。
成果の内容・特徴
  1. プロテイナーゼインヒビターの活性は,プロテイナーゼ(α-キモトリプシン)活性が茶葉磨砕液添加により阻害される割合によって評価される(図1)。
  2. 未成葉においては,茶葉の切断により傷害葉および上位葉・下位葉においてプロテイナーゼインヒビターの活性発現が認められる(図2,表1)。
  3. 成葉においては,茶葉の切断によるプロテイナーゼインヒビターの活性発現は認められない(図2,表1)。
  4. プロテイナーゼインヒビターの活性発現から見た茶葉における傷害反応は,草本植物で報告されている反応と類似している。
成果の活用面・留意点
  1. 傷害誘導性プロテイナーゼインヒビターの活性は,磨砕緩衝液(阻害物質を含まない)を添加した場合のプロテイナーゼ活性を基準(100%)にして相対的に算出しているため,活性の定量性についてはさらに検討が必要である。
  2. 茶樹の防御反応を利用した病虫害防除技術を開発していく上で必要な反応制御因子の検索指標として,茶葉におけるプロテイナーゼインヒビター活性が利用できる。
図表1 227601-1.jpg
図表2 227601-2.jpg
図表3 227601-3.gif
カテゴリ 病害虫 栽培技術 防除

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