茶生葉中のγ-アミノ酪酸(GABA)含量の新しい増加手法(普及)

タイトル 茶生葉中のγ-アミノ酪酸(GABA)含量の新しい増加手法(普及)
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 吉冨 均
澤井祐典
発行年度 1998
要約 茶生葉の嫌気処理と好気処理を繰り返すことにより茶葉中のγ-アミノ酪酸(GABA)含量は大幅に増加する。この葉を用いて製造したギャバロン茶は、従来の嫌気処理のみで製造した茶と比較して、GABA含量は格段に高い。
キーワード 嫌気処理、好気処理、γ-アミノ酪酸(GABA)、ギャバロン茶野菜・茶業試験場・茶利用加工部・製茶システム研究室
背景・ねらい  嫌気処理した茶葉から製造した茶は、血圧降下作用のあるγ-アミノ酪酸(GABA)を多く含み、ギャバロン茶として市販されている。GABAは、嫌気条件下で、グルタミン酸脱炭酸酵素の働きにより、グルタミン酸から生じるため、単に嫌気処理を行うだけでは、グルタミン酸がすべて変化した時点で、GABAの増加は頭打ちとなる。そこで、嫌気処理後に好気処理を行うことで、グルタミン酸の回復をはかり、続く嫌気処理によってGABAのさらなる増加を試みる。
成果の内容・特徴
  1. 通常の嫌気処理では、GABA含量は嫌気処理後3時間までに顕著に増加し、あとの増加率は低い。嫌気処理3時間後に好気処理に転じると、グルタミン酸の急激な回復が起こる。そこで再び嫌気処理に戻して3時間行うと、増加していたグルタミン酸はGABAに変化し、GABA増加量は、嫌気処理のみの方法と比較して、1.5倍強になる(図1)。
  2. 好気処理の時間は、GABAの減少が少ない1時間程度が適当である(図1)。
  3. 嫌気処理で増加するアラニンは好気条件下における減少が著しく、嫌気処理のみの場合よりも増えることはない。アスパラギン酸は嫌気処理で減少するが、好気条件下での回復は僅少である(図1)。
  4. 嫌気処理と好気処理を複数回繰り返していくと、好気処理のたびにグルタミン酸含量は回復を示し、その後の嫌気処理でGABAは増加し続ける(図2)。
  5. 嫌気処理と好気処理を繰り返した茶葉を用いて製茶すると、GABA含量が格段に高い茶となるが、葉よりも茎にGABA含量は高い(表1)。よってこの茶は茎を除かずに仕上げを行う。
成果の活用面・留意点
  1. GABAを高含有するギャバロン茶の新製法であり、一番茶以外でも充分活用できる。
  2. 茶葉の変質を防ぐため、10℃程度の冷蔵庫内での処理が推奨される。室温での処理は気温に応じて好気処理を1、2回はさむ程度にとどめる。
図表1 227604-1.jpg
図表2 227604-2.jpg
図表3 227604-3.gif
カテゴリ 加工

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