我が国におけるスイカ果実汚斑細菌病(新称)の発生

タイトル 我が国におけるスイカ果実汚斑細菌病(新称)の発生
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 加藤智弘(山形園試)
我孫子和雄
菊地繁美(山形園試)
白川 隆
発行年度 1999
要約 〔要約〕1998年,山形県のスイカ産地で発生した細菌性病害から分離された菌株は,スイカをはじめカボチャ,ユウガオ等のウリ科植物に病原性を示す。分離細菌をその細菌学的性質からAcidovorax avenae subsp. citrulli と同定し,スイカ果実汚斑細菌病と命名した。
キーワード スイカ、Acidovorax avenae subsp. citrulli、スイカ果実汚斑細菌病野菜・茶業試験場 環境部 病害研究室
背景・ねらい 1998年6~8月にかけて山形県の主要なスイカ産地で我が国では発生がなく,植物防疫の施行規則で特定重要病害に指定されているBacterial Fruit Blotch of Watermelonと酷似した細菌病が発生した(図1)。本病は1989~1994年にかけてアメリカで大発生して甚大な被害をもたらした種子伝染性の病害である。そこで,緊急に山形県で発生した細菌病の病原菌を分離して同定する。
成果の内容・特徴
  1. 山形県のスイカ産地に発生した原因不明の細菌性病害から分離された細菌菌株を苗に噴霧接種すると,スイカ苗の葉に水浸状斑点の形成,胚軸の腐敗症状,果実では果肉の軟化腐敗を発現する。
  2. 接種して発病した果実から採種した種子を播種すると,苗腐敗を起こす。
  3. 分離菌株は,供試した6種のウリ科植物の全て,トマト,ナスに病原性を有する。特にスイカ,キュウリ,カボチャ,ユウガオ,トウガンに強い病原性を示す。(表1)
  4. 分離菌株の120余項目の細菌学的性質を調査した結果およびアメリカから輸入した標準菌株と比較した結果から,本病原菌をAcidovorax avenae subsp. citrulli と同定した。本菌によるスイカ病害の発生は我が国では報告がなく,スイカ果実汚斑細菌病(新称)と命名した。(表2)
成果の活用面・留意点
  1. 我が国のスイカ産地における本病の早期診断,蔓延防止に役立つ。
  2. 本病は種子伝染性病害であるため,健全種子生産のための有益な情報となる。
図表1 227620-1.jpg
図表2 227620-2.gif
図表3 227620-3.gif
カテゴリ かぼちゃ すいか とうがん トマト なす 播種 ゆうがお

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