タイトル |
ナスの自動収穫システム |
担当機関 |
野菜・茶業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
雁野勝宣
鹿沼隆宏
林茂彦
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発行年度 |
1999 |
要約 |
〔要約〕一定の大きさのナスを選択的に摘み取る自動収穫システムを開発した。本システムは,画像処理により果実を認識し,ビジュアルフィードバックを用いてマニピュレータ先端を接近させたのち,収穫用ハンドにより果実の摘み取りを行う。
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キーワード |
ナス、自動収穫システム、画像処理、ビジュアルフィードバック、マニピュレータ先端、収穫用ハンド野菜・茶業試験場 施設生産部 機械利用研究室
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背景・ねらい |
ナスの収穫は手作業で行われ,作業者は,大きさの異なる果実が点在する中から,一定の大きさの果実のみを選択的に摘み取っている。この収穫作業を自動化し労働時間の短縮を図ることは,重要な課題である。そこで,果実の認識,果実への接近,把持・摘み取りの基本動作を,画像処理,マニピュレータ,ハンドで置き換えることにより自動収穫システムの開発を目指す。
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成果の内容・特徴 |
- 本システムは,2台のパソコン,CCDカメラ,画像処理ボード,マニピュレータ,コントローラ,収穫用ハンドから構成される(図1)。
- 本システムは,画像処理により認識した果実画像(図2)を追跡するように,ビジュアルフィードバックを用いてマニピュレータを制御し,ハンド(図3-(a))を果実に接近させる。そして,吸引パッドとゴムアクチュエータで果実を把持したのち,果頂を検出する光電センサと,上下移動し果実基部を検出する案内爪との距離から,収穫適否(果実長125~165 mm)を判定する。さらに,採果ハサミを駆動させ果柄を切断する。このとき,案内爪は,その先端が湾曲していることから,果柄を固定することができる。
- 収穫用ハンドを0.4 MPaの圧縮空気で駆動することにより,果実に傷つけることなく安定して把持することができ,果柄の切断を行うことができる。
- 摘み取り動作時に,果実を30°程度引き上げることにより,茎葉が収穫ハンド内に巻き込まれるのを防ぐことができる(図3-(b))。
- 本システムの現在の収穫成功率は52.5 %である(表1)。また,果実1果を収穫する時間は約62秒である。果実基部の検出と果柄切断を合わせた摘み取り動作を9 秒程度で行うことができる(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本システムは,ナスの収穫基本動作を遂行することができ,収穫ロボットを開発するための基本要素となる。果実が本システム側に露出するような状態で動作させる必要がある。また,収穫適否の判定精度の向上や施設内の移動走行技術との融合が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
画像処理
茶
なす
ロボット
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