デルフィニウム切り花におけるマンニトールの同定とその生理的役割

タイトル デルフィニウム切り花におけるマンニトールの同定とその生理的役割
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1999~2000
研究担当者 後藤理恵
向井俊博
市村一雄
木幡勝則
発行年度 1999
要約 〔要約〕マンニトールがデルフィニウムの主要な構成糖質の一つであることを明らかにした。切り花へのマンニトール処理はグルコース処理と同様に、エチレンに対する感受性を低下させて、落花を抑制する。
キーワード マンニトール、デルフィニウム、構成糖質、切り花、グルコース、エチレン、落花野菜・茶業試験場 花き部 流通技術研究室
背景・ねらい 切り花において、糖質の添加は品質保持に効果があるため、糖質の役割を明らかにすることは重要となっている。デルフィニウムは近年生産の増加が著しい切り花花きであるが、その糖代謝についてはほとんど研究されていない。そこで、デルフィニウム切り花に含まれる糖質を同定し、その生理的役割を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 高速液体クロマトグラフィーによりデルフィニウム花器の糖を分析したところ、グルコース、フルクトース、スクロース以外のピークが検出されたので、この物質を単離し、1H-NMRによりマンニトールと同定した。
  2. マンニトールはデルフィニウム切り花のどの部位においても高濃度で存在し、主要な観賞器官であるがく片で最も多量に含まれる糖質である(表1)。
  3. 小花へのマンニトールの連続処理は代謝糖であるグルコースの連続処理と同様に、落花を著しく遅延させるが、非代謝糖である3-o-メチルグルコース(3-OMG)では遅延効果を示さない(表2)。
  4. マンニトール処理は小花のグルコース等の代謝糖濃度を上昇させることにより(データ省略)、エチレン感受性を低下させる(表3)とともに、エチレン生成量を減少させ(図1)、落花を遅延させると推定される。
成果の活用面・留意点
  1. デルフィニウム切り花の品質保持技術の確立に利用できる。
  2. 糖質処理がエチレン感受性を低下させたことから、糖質を利用したエチレン感受性切り花の品質保持技術開発に有用な情報となる。
図表1 227643-1.gif
図表2 227643-2.gif
図表3 227643-3.gif
図表4 227643-4.gif
カテゴリ デルフィニウム 品質保持

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