低コストな管水路用水田水位維持装置

タイトル 低コストな管水路用水田水位維持装置
担当機関 農業工学研究所
研究期間 1999~2001
研究担当者 金野隆道(日本システム開発(株))
藤森新作
平川英司(同)
槐 時男(同)
発行年度 1999
要約 構造の単純化による部品点数の減少と既製素材の採用によって、低コスト化の実現とメンテナンスが容易な管水路用の水田水位維持装置である。また、稼働試験の結果、設定水位の範囲内において確実に作動する。
背景・ねらい 農業者の高齢化や兼業の増加、一方で低コスト水田農業の実現をめざす大規模経営体にとっては圃場の分散が課題となっている。このため、一筆水田の日常の水管理が困難となり、掛け流し潅概が発生して土地改良区等が用水管理費増に苦慮する実態が生じている。
従来から、水田水位を自動的に制御する機器は存在するが、高価格であることと水質悪化やゴミ詰まりによる作動不良、機器の取り扱いの複雑さ等の問題があった。そこで、構造をできる限り単純化し、作動の確実性と使いやすさ及び、低価格の実現を目的に水位維持装置を開発した。
成果の内容・特徴
  1. 構造 本装置は、水田水位に応じて上下するフロートとこれと連動して挺子の原理によってボール弁を開閉する水位感知部、及び水密室とこれと連動して開閉する止水弁等で構成している(図1、図2)。パイプライン用水を、一次圧口から直接給水器の弁を作動する水密室へ送圧する構造であるため、各機能間のロス作用が少なく、水位感知後数秒で給・止水ができる。
  2. 自動止水の原理 田面水位が設定水位まで上昇したときに、感知棒の先端がマグネットスイッチに吸着され、同時にボール弁が上昇して、給水器の水密室を経由してパイロットホースから送水されていた用水を止水し、用水は水密室に逆流して室内を加圧充満する。これによって、ピストン板とこれにつながる止水弁が下がり止水する。
  3. 自動給水の原理 フロートが設定水位を下回れば、フロートの自重によってマグネットスイッチが開放され、これと連動してボール弁が下降して、水密室内の用水を放出、同時にパイプラインの水圧によって止水弁が上昇し給水を開始する。
  4. 性能 耐久性と水圧への適応性を確認するため、450リットル/minの用水で8日間連続して20秒おき、約3万回に及ぶ給水、止水テストを繰り返したが確実に作動した。また、送水試験で確認した装置の適用可能水圧は0.2~5.0kgf/㎝2である。
    水稲栽培圃場に設置し、パイプラインの送水圧3kgf/cm2時における稼働状態及び水田水位を自記水位計によって観測した結果、1日に1~2回、1~2時間稼働し、田面水位の変動幅は上下限ともほぼ設定水位で作動することを確認した(写真1 )、(図3)。
成果の活用面・留意点 口径50㎜の給水栓に対応しているが、異形ソケットを用いることで、他の口径の給水栓にも取り付けが可能である。製品化した場合の価格は従来品の3割以下(1万円程度)となる。
図表1 227818-1.gif
図表2 227818-2.gif
図表3 227818-3.gif
カテゴリ 水田 水稲 大規模経営 低コスト 水管理

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる