有限要素法によるダム湖の三次元流れ・水温解析

タイトル 有限要素法によるダム湖の三次元流れ・水温解析
担当機関 農業工学研究所
研究期間 2000~2000
研究担当者 (高橋順二)
吉永育生
長谷部均
白谷栄作
発行年度 2000
要約 水温による密度変化を考慮して三次元の流速と水温を計算することができる三次元モデルを構築した。ダム湖などの比較的面積が小さく複雑な形状の水域においても解析することができる。
背景・ねらい 閉鎖性水域における富栄養化現象を解析する場合には、水域内の物質の挙動、つまり流れを解析することが重要である。また、水温の違いによって植物プランクトンの増殖速度が大きく変化するため、水温解析は非常に重要である。加えて、従来はダム湖を真横から見たような鉛直二次元モデルが広く適用されてきたが水深がダムの堤長より大きい場合はまれで、一般には平面流れを無視することはできない。
そこで、ダム湖の三次元的な流れと水温を解析することのできる三次元モデルを開発し、夏季のダム湖の流れと水温について解析を行った。水域における最も基本的な物理現象である流れと水温の解析モデルであるため、富栄養化現象などを解析する際の基礎モデルとなるものである。
成果の内容・特徴
    図1に示す農業用ダム湖(総貯水量約510万m3)を対象として数値計算を実施した。
  1. 任意の地点での三次元の流速と水温を計算することが可能である(図2、図3参照)。
  2. 複数の流入河川を有する場合や水深が大きく変化する場合など複雑な形状の水域を計算することができる。
  3. 地形データと気象データ(日照時間,気温,風速)が得られれば計算が可能であるため、計画段階で予測計算を行うことができる。
成果の活用面・留意点 対象とする水域の大きさ、形状等によっては計算時間が長くかかるため、数週間の現象を対象とした詳細な解析に適用することが望ましい。富栄養化現象の解析に向けて、栄養塩類と植物プランクトンについてモデルの改良を引き続き実施する。
図表1 227852-1.gif
図表2 227852-2.gif
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