タイトル |
農地基盤情報のオンサイト更新のための無線LAN通信システム |
担当機関 |
(独)農業工学研究所 |
研究期間 |
2000~2002 |
研究担当者 |
山本徳司
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発行年度 |
2001 |
要約 |
農地、水路、道路等に関する地図・属性データを、現場で省力的に更新する農地基盤情報オンサイト更新システムの核技術として、本サーバ、移動サーバ、モバイルターミナルを繋ぐ無線LANシステムを開発した。
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背景・ねらい |
農地基盤情報の整備は、中山間直接支払制度をはじめ中山間総合振興対策等の実施に不可欠であるが、耕作放棄の状態、農道・水路の維持管理の状況は年々変化するため、それに即応し、情報更新を行なう必要がある。そこで、農地、水路、道路等の位置、面積、管理状態等のデータ更新作業を現場ですぐに(オンサイトに)省力的に実施する農地基盤情報更新システムの開発に向け、その核技術となるウェアラブル・コンピューティングとモバイル通信技術を活用した無線LAN通信システムを開発した。
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成果の内容・特徴 |
- システム設計を行うため、F県の「農地及び土地改良施設等基本主題データ原稿図作成要領書」並びにF県T町の集落協定書の様式事例の分析を行い、更新時に必要なデータ要素を抽出するとともに、更新作業の手順を検討した。
- 地図、図形、テキストの転送容量と更新作業過程を考慮し、役場等に設置され、市町村全域の農地基盤データベースを集積した本サーバ、現地で利用するため、数集落規模のデータ転送を行う車載用の移動サーバ、団地規模のデータ転送により、末端現場での更新作業を行う手持ちのモバイルターミナルからなるデータ転送システムを考案した(図1)。モバイルターミナルは、ウェアラブルPCとヘッドマウントディスプレイにより構成した。
- 各システム間は、11Mbpsの伝送量をサポートするIEEE802.11b規格の無線LANで繋ぐ。このシステムの稼働実験では、傾斜が急で、木立や小さな建物がある山間地のフィールドにおいても、被視直線距離で約200mまではデータ送信の安定性が確保された。
- 各サーバ、モバイルターミナル間の無線LAN通信では、通信接続状態を常に監視し、通信可能な状態となれば、自動的にデータ転送を行う。また、切断を検出した場合は、自動的に上位サーバに対し接続要求を行うことにより、連続的に通信を行う機構を設計した。
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成果の活用面・留意点 |
- モバイルターミナルに採用のウェアラブルPCとヘッドマウントディスプレイは、コンセプトシステムであり、普及に当たっては、PDA版のアプリケーションを開発中。
- アプリケーションは、モデル地区での作業試験により問題点を抽出し、バージョンアップを図るとともに、現場の要望に対応した改良を加え、普及を目指す。
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図表1 |
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カテゴリ |
中山間地域
データベース
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