タイトル |
5.棚田を対象とする農地利用の予測方法 |
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研究期間 |
2001~2003 |
研究担当者 |
遠藤和子
合崎英男
蘭 嘉宜
國光洋二
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発行年度 |
2003 |
要約 |
世帯員や農家の行動を積み上げるマイクロシミュレーション手法により、棚田を対象に将来の農地利用を予測する方法を開発した。この方法を用いることにより高齢化による経営主のリタイアやあとつぎの就農行動に伴う農地利用の変動を予測することができる。また、選択実験を用いることにより農家の借地拡大行動などを組み込んだ予測を行うことができる。
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背景・ねらい |
中山間地域では2000年度より直接支払制度が実施され、農地を適切に保全することによりその多面的機能の確保が期待されている。しかし、高齢化や若年労働力の流出など労働力の減少により今後も耕作放棄が増加すると予想されるため、農用地利用計画等の充実を図るなどして農地の保全を適切に推進していく必要がある。そこで、農地保全計画策定に資するための農地利用予測方法として、個々の農業労働力の変動や農家行動の積み上げから予測を行う方法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- マイクロシミュレーション手法を用いて、農林業センサス農家調査結果(個票)データから、農家経営主のリタイアやあとつぎの就農行動に伴う農地利用の変動を予測するモデルを作成した(図1)。
- 予測モデルでは、経営主のリタイアなど労働力の変化に伴う経営規模の縮小を予測することができる(図2)。また、選択実験を用いて借地拡大などの農家行動モデルを推定することにより経営規模の拡大を予測に組みこむことができる(図3)。
- 個々の農家の予測結果を市町村の範囲で集計することにより、当該市町村の農地利用の将来予測をすることができる。例えば、新潟県M村の農地利用の予測を図4に示す。それによると、借地拡大行動モデルを組み込むことにより、より良好な予測結果を得られることが示されている。
- 予測に用いた農業センサス農家調査結果(個票)は、統計法に則り総務省の承認を得て利用する必要があるが、市町村が独自のデータを持っている場合はそれを利用して予測することができる。
- シミュレーション・フローやパラメータは、シミュレーションを適用する地域の実態に合わせて設定する必要がある。
- 農地転用については予測に組みこんでいないため、対象は棚田に限定される。
[その他]研究課題名: 傾斜地水田地帯における農地利用の予測手法の開発 関連する中期計画大課題名:
成果の活用面・留意点 |
- 予測に用いた農業センサス農家調査結果(個票)は、統計法に則り総務省の承認を得て利用する必要があるが、市町村が独自のデータを持っている場合はそれを利用して予測することができる。
- シミュレーション・フローやパラメータは、シミュレーションを適用する地域の実態に合わせて設定する必要がある。
- 農地転用については予測に組みこんでいないため、対象は棚田に限定される。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
経営管理
傾斜地
水田
中山間地域
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