6.仮想評価法(CVM)による耕種農家の堆肥需要量の予測手法

タイトル 6.仮想評価法(CVM)による耕種農家の堆肥需要量の予測手法
研究期間 2001~2003
研究担当者 遠藤和子
合崎英男
蘭 嘉宜
國光洋二
発行年度 2003
要約  仮想評価法を利用して耕種農家の堆肥の購入行動を分析する手法を開発した。この手法を利用することで、堆肥化施設を設置する前に受益地域内の耕種農家による堆肥需要量を予測することができる。
背景・ねらい  家畜ふん尿等の有機性資源の活用方策の1つとして耕種部門での堆肥利用があり、その促進のために全国で堆肥化施設の導入が進められている。しかし、耕種農家の立場から堆肥と化学肥料を比較すると、堆肥は価格や取り扱い易さの点(利便性)で劣り、その利用は伸び悩んでいる。このような状況では、施設の導入前に堆肥の購入行動を規定している要因の解明と、それに基づいた需要促進策の検討が重要となる。
そこで、施設を設置する前の段階で堆肥の価格設定を中心とした計画案の定量的な比較検討を可能とする耕種農家による堆肥需要量の予測手法を開発する。
成果の内容・特徴
  1.  施設の設置計画段階において地方自治体や農協が実施する堆肥利用意向調査では、耕種農家に希望価格を記入させたり、選択させたりすることが多い。そこで、既に現場で利用されている質問形式と類似した支払カード形式を採用した(図1)。
  2.  回答結果は販売された堆肥が回答された金額よりも高ければ「利用しない」、低ければ「利用する」と読み替える。「d.1000円/m2」を回答した耕種農家であれば「c.1500円/m2」以上では「利用しない」、「d.1000円/m2」以下では「利用する」となる。
  3.  読み替えた後のデータを利用して耕種農家の堆肥需要関数を推定する。その推定結果から受益地域全体での堆肥の需要量と堆肥価格との関係を示す需要曲線を導出する(図3)。これにより、堆肥の価格設定によってどの程度の販売が見込めるか、また堆肥の運搬・散布サービスの追加による販売量の増加などを試算できる。

  1.  家畜ふん尿等を原材料とした堆肥化施設の導入を検討している地方自治体や農協等で活用できる。
  2.  計画されている堆肥化施設案ごとの堆肥製造平均費用曲線と、本手法で求めた需要曲線を比較することで、いずれの施設が経営的に優れているかを検討することができる。
  3.  本手法は、施設の運営主体が操作可能な条件が価格以外には1つか2つ程度に限定されてしまう。




[その他]研究課題名:
家畜ふん尿堆肥化施設に対する耕種農家の評価・需要予測手法の開発
関連する中期計画大課題名:
成果の活用面・留意点
  1.  家畜ふん尿等を原材料とした堆肥化施設の導入を検討している地方自治体や農協等で活用できる。
  2.  計画されている堆肥化施設案ごとの堆肥製造平均費用曲線と、本手法で求めた需要曲線を比較することで、いずれの施設が経営的に優れているかを検討することができる。
  3.  本手法は、施設の運営主体が操作可能な条件が価格以外には1つか2つ程度に限定されてしまう。




図表1 227954-1.gif
図表2 227954-2.gif
図表3 227954-3.gif
カテゴリ 肥料 経営管理 評価法

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