放射能探査法による、地盤の広域的な元素濃度測定手法

タイトル 放射能探査法による、地盤の広域的な元素濃度測定手法
担当機関 (独)農業工学研究所
研究期間 2002~2004
研究担当者 石田 聡
今泉眞之
土原健雄
発行年度 2004
要約 車載型放射能探査装置を改良して、地盤中の天然放射性元素(ウラン、トリウム、カリウム)から放出されるγ線を測定し、元素濃度に換算する手法を開発した。この手法によって地盤の元素濃度を広域かつ簡便にマッピングでき、地下水汚染調査等に活用できる。
キーワード
車載型放射能探査装置、ウラン、トリウム、カリウム、γ線、元素濃度、マッピング
背景・ねらい 近年、農村地域では、経済活動等によって、地下水中に多種多様な元素や化合物が付加されつつある。地下水汚染を早期に発見し、未然に防ぐためには、汚染されていない状態の農村において、土壌の化学性のバックグランドとなる量を把握して、図化(地球化学図)しておく必要がある。従来の地球化学図は、1~3km2当たり1試料の河川堆積物を採取し、実験室で分析する手法がとられているが、この方法は時間と経費を要する。このため、放射能探査法による簡便かつ広域的な測定法を開発した。
成果の内容・特徴
  1. 元素濃度分布をマッピングするため、ウラン(U)、トリウム(Th)、カリウム(K)それぞれの元素のガンマ線強度を個別に測定し、併せて測定位置の情報をGPSから取り込むシステムを開発し、断層調査用の車載型放射能探査装置に組み入れた。
  2. 福島県阿武隈山地の花崗岩分布域(図1)において27露頭を選定し、改良した装置を用いて放射能探査を行った(図2)。調査によって得られたUのガンマ線計数率と、地質調査所が作成した地球化学図のU濃度分布とを比較した。
  3. 放射能探査によって得られたUのガンマ線計数率は、地球化学図によるU濃度と相関係数0.8以上の正の相関を持ち(図3)、ここで用いた放射能探査法によって、広域的な元素濃度分布を把握することが可能であることが示された(図4)。
成果の活用面・留意点 検層器が車載型であるため、広域的な元素濃度を短期間で効率的に調査することができる。また、Kは肥料に含まれているので、肥料や耕土の流亡調査等への応用も期待される。測定にあたっては露頭と測定器の距離を一定に保ち、測定の攪乱要素となる舗装材や敷き砂利等がない場所を選定することが望ましい。
図表1 228011-1.gif
図表2 228011-2.jpg
図表3 228011-3.gif
図表4 228011-4.gif
カテゴリ 肥料 GPS

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