木質系資源とマグネシア系土壌硬化剤による近自然舗装

タイトル 木質系資源とマグネシア系土壌硬化剤による近自然舗装
担当機関 (独)農業工学研究所
研究期間 2003~2005
研究担当者 藤森新作
若杉晃介
小堀茂次(共同研究・東武化学(株))
坂口睦男(共同研究・日本道路(株))
伊藤政之(共同研究・新キャタピラー三菱(株))
発行年度 2004
要約 マグネシア系土壌硬化剤を接合材に用いて、間伐材や樹木剪定で発生した廃材、廃棄木材等の木質系資源を大量かつ安全に処理・利用する環境保全型技術である。透水性や保水性に優れ、ほ場内道路や歩道、資材置き場等に適している。
キーワード
マグネシア系土壌硬化剤、間伐材、樹木剪定、廃棄木材、木質系資源、環境保全型技術
背景・ねらい 間伐材のみならず、木材加工や建築解体に伴う廃棄木材、樹木剪定で発生した廃材などで、木質系資源が大量に発生している。間伐材にあっては土木や住宅建設資材としての利用が進んできているものの、大量に消費するには至っていない。また、バイオマス燃料として期待されているが本格利用までには時間を要する。その他の利用では、炭化、土壌改良資材など限られており、大量でかつ安全に処理・利用する技術の開発が望まれている。そこで、木質系資源を用いて透水性と保水性の面で近自然的なターン農道や歩道、資材置き場等を施工する技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 木質系資源を接合するマグネシア系土壌硬化剤は、軽焼マグネシアと炭酸塩及びクエン酸が主原料であり、環境負荷の少ない資材である。木質材料への付着性が高く、高強度の透水性混合物を安価に提供できる(表1)。
  2. マグネシア系土壌硬化剤はセメントと比較して反応に必要な水分量が多く、木質材料や土壌などの含水率の高い材料の固化に適する。また、付加する乳化性樹脂は付着性およびたわみ性を向上させる。
  3. 水分・温度変化等による伸縮をアスファルト舗装などのようにたわみ性で吸収できるため、セメント系に必要な目地(収縮目地、膨張目地)を必ずしも必要としない。
  4. 透水性とすることにより水溜りのない良好な歩道や車道等を形成できる(写真1)。
  5. 使用骨材が木質骨材などの吸水性骨材の場合は保水性も有し、夏季にあっては水の蒸発に伴う気化熱により表面温度を低減できる。直射に伴う表面温度の上昇は気温に対してプラス10℃以内であり、アスファルトの表面温度が日中に60℃程度を示すのと比較して著しく低く、ヒートアイランドの低減に寄与する(図1)。
  6. 弾力性を示す反発係数GB(ゴルフボールを1mの高さから自然落下させたときの反発高さ)と衝撃吸収性を示すSB(鉄球を1mの高さから落下させたときの反発高さ)の関係から、SB値が小さく衝撃吸収性に優れ、自然の土の感触に近く歩行に適している(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 樹種やチップの形状等に応じた配合と施工技術を確立する必要がある。
  2. 試験施工後1年を経過しても腐食していないが、耐久性調査が必要である。
  3. 施工機械を開発する必要がある。
  4. 特許出願中である。
図表1 228016-1.gif
図表2 228016-2.jpg
図表3 228016-3.gif
図表4 228016-4.gif
カテゴリ 加工 土壌改良

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