改良山成畑工で造成された盛土の崩壊実態と用排水路の維持管理

タイトル 改良山成畑工で造成された盛土の崩壊実態と用排水路の維持管理
担当機関 (独)農業工学研究所
研究期間 2004~2005
研究担当者 古谷 保
発行年度 2005
要約 改良山成畑工の盛土で背後に大きな集水域があり、地表流出水や地下浸透水が盛土部に集まりやすい地形では崩壊の危険性が高まるので、U字溝等の排水路の日常的な点検と維持管理、用水路の適切な操作管理等が崩壊防止対策として特に大切である。
キーワード
改良山成畑工、盛土、集水域、排水路、維持管理、用水路、操作管理
背景・ねらい 近年、改良山成畑工で造成された盛土が地震や降雨によって崩壊し、流動化した崩壊土砂が人家や道路、農地等に大きな被害を及ぼした事例が発生している。中山間地域の過疎化・高齢化の進行とともに、農用地や用排水路の丁寧な維持管理が困難になりつつあり、こうした崩壊は今後も発生する危険性があると危惧される。そこで改良山成畑工で造成された盛土崩壊の3事例から、その実態を明らかにし、今後の法面の点検調査の参考となる危険個所の特徴と留意点を整理する。
成果の内容・特徴
  1. 調査した3地区の盛土崩壊の誘因としては、A地区の場合は震度6弱の地震、B地区では崩壊発生当日93.5mmの降雨、C地区の場合は崩壊発生当日327mmの降雨である。
  2. 3地区とも改良山成畑工により沢を埋めて造成した盛土部が崩壊している。A地区の崩壊の規模は、冠頭部の幅は約15m、長さ約90m、堆積域は幅約20m、長さ約100mであった。B地区では、高さ約10m、幅約45mの法面とその背後の圃場が崩壊し、流動化した土砂が長さ約140mにわたって流れた。C地区の場合は、同じ法面が以前にも崩壊したが、法面上部の農道が約20mほど陥没したものの法面全体は崩落しなかった。これは、今回は法面に灌木が繁茂していたためと推定される。
  3. 3地区とも、背後にある大きな集水域(図1,2、写真3)からの地表流出水が盛土部に流れ込み、また地下浸透水も盛土部に集まると考えられる地形であった。排水路の状況は、A地区では以前の大雨でU字溝が崩落していたため(写真1)、そこから降雨時の地表流出水が盛土部の崩壊した箇所付近に流れ込んで含水比の上昇を招き、地震時に地盤の強度低下を引き起こす一因になったと推定される。B地区ではU字溝が土砂で埋まり(写真2)、集水域からの地表流出水がここから盛土部の崩壊した箇所へ流れ込んでいた。またC地区では、畑地灌漑のために沢を堰き止めて圃場に水を引いていたが(写真4)、その水が圃場の排水と一緒になって崩壊箇所に流れ込む排水系統となっていた。
  4. 防災上の留意点として、耕作放棄、過疎化・高齢化等により、当初設置された排水路の維持管理が不十分で本来の機能を失っていたこと、造成後に、営農上の都合で用排水系統が変更されていながら、豪雨時の用水管理が適切に行われなかったこと等があった。
成果の活用面・留意点 法面の点検は、盛土・切土の別、法面の集水域の規模、用排水路の損傷や土砂の堆積等の維持管理状況を調査するとともに、法面安定工の有無、盛土暗渠の有無と目詰まりの状態、樹木の繁茂状況等も含めて総合的に行う必要がある。
図表1 228044-1.gif
図表2 228044-2.jpg
図表3 228044-3.gif
図表4 228044-4.jpg
図表5 228044-5.jpg
図表6 228044-6.jpg
カテゴリ 中山間地域 水管理

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる