農地海岸の維持管理の実態と今後の方向

タイトル 農地海岸の維持管理の実態と今後の方向
担当機関 (独)農業工学研究所
研究期間 2002~2005
研究担当者 丹治 肇
中矢哲郎
桐 博英
発行年度 2005
要約 全国の農地海岸では、定期的な点検、施設の現況把握、危機管理情報の収集が事故発生率の低下につながっている。また、農地海岸は親水施設としてのポテンシャルが高く、海岸管理者からは環境との調和や親水施設としての利用を重視した海岸整備事業の実施が望まれている。
キーワード
背景・ねらい 平成11年度の海岸法の一部改正により、津波、高潮、波浪等海岸の防護、海岸環境の整備と保全、公衆の海岸の適正な利用の確保、を柱とした総合的な海岸管理制度が導入されたため、安全な海岸施設利用に関する海岸維持管理の重要性が全国的に増している。またLCM(Life Cycle Management)を導入した海岸保全施設の維持管理手法の策定に向けて、全国規模での海岸管理実態の把握が不可欠となっている。農地海岸は全国の保全が必要な海岸の11.9%を占めているが、その利用、維持管理の実態は明らかにされていない。このため全国の農地海岸管理者に対してアンケート調査を行い、農地海岸の利用状況、被災状況、維持管理状況の実態を把握する。
成果の内容・特徴
  1. 図1のように全国を9つのブロックに分けて農地海岸管理者に対しアンケート調査を行った。アンケートを配布した全国23県、1道、1府より196件の回答が得られた。農地海岸の維持管理体制の状況について分析し、以下の結果を得た。
    1. 事故発生状況と維持管理状況の関係を見ると(図2)、危機管理体制の整備、定期的な点検、施設の現況把握、危機管理情報の収集が事故発生率(過去10年間で起こった事故発生件数/管理海岸数)の低下につながる。
    2. 管理者の点検内容は一時点検にあたる目視による調査が多くを占めており、近接目視や計測・試験等による詳細な点検である二次点検は少ない。
  2. 農地海岸の利用状況について分析し、以下の結果を得た。
    1. アクセスが自由な海岸が全体の61%、海水浴場の利用が14%であり、親水施設としてのポテンシャルが高い。
    2. 利用目的が浸食防止や波浪制御などの農地防災機能のみより、親水機能を有する方が、管理が行き届き災害の軽減につながるという意見が多い。
    3. 今後の方向に関しては、環境との調和や親水施設としての利用を重視した海岸整備事業実施の要望が多く、回答者の半数以上にのぼっている(図3)。
成果の活用面・留意点 LCMを導入した農地海岸の維持管理に向けた基礎資料としての活用が期待される。
図表1 228073-1.gif
図表2 228073-2.gif
図表3 228073-3.gif
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