比抵抗法2次元探査における3次元地形補正法

タイトル 比抵抗法2次元探査における3次元地形補正法
担当機関 (独)農業工学研究所
研究期間 2002~2005
研究担当者 中里裕臣
井上敬資
中西憲雄
黒田清一郎
奥山武彦
朴 美京(JSPS)
発行年度 2005
要約 比抵抗法2次元探査の誤差要因である測線周辺の3次元的な地形の影響を補正する新しい手法を提案する。従来の3次元地形補正法は比抵抗異常部の検出に、提案手法は3次元地形に由来する偽像の発生を抑える場合に適している。
キーワード
比抵抗2次元探査、3次元的、地形の影響、偽像
背景・ねらい 近年電気探査の2次元探査・解析手法は実用段階に達し、建設・土木分野における適用事例が増加している。しかし、探査測線は工事計画に沿って設定されるため、2次元解析の前提である地下構造や地形の2次元性は必ずしも保証されておらず、電気探査の適用上の問題点となっている。このような問題は3次元探査・解析によって解決されうるが、地表に多量の電線・電極を設置する電気探査による3次元探査には探査労力とコストの面で問題がある。本研究では、2次元探査の精度向上を目的として、データ取得は2次元探査によって行い、解析結果への影響が明らかな3次元的な地形については3次元電位応答計算によってその影響を把握し、2次元探査データを補正する手法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 図1の3次元地形モデルにおいてX=30m、Z=-18mを中心にY軸方向に伸びる低比抵抗部(5Ωm、断面積16m2)を置いた場合の2極法2次元探査データを、3次元フォワードプログラムにより計算し、測線沿いの2次元地形のみを考慮して2次元解析した結果が図2Aである。100Ωmの均質場に対し偽像が発生し、低比抵抗部の位置もずれており、3次元地形の影響が確認できる。
  2. Holcombe and Jiracek(1984)による従来の3次元地形補正法は、探査測線周辺の3次元地形を与えた均質大地の3次元電位応答値を補正係数とするものである。この方法の3次元解析結果は平坦地形に対する比抵抗断面図となるため、地形を含めた断面図を得るために鉛直方向の比抵抗分布を地形に応じて比例配分する工程が必要となり、それに伴う解析精度の低下が懸念される。図2Bはこの手法を適用した結果で、低比抵抗部はコントラストが高く解析されているが、浅部に偽像が残されている。
  3. 本研究では、測線沿いの2次元地形を与えた均質大地の2次元電位応答値を計算し、測定値から3次元地形の影響のみを除いた、純2次元地形における2次元解析用補正データを得る手法を提案する。これにより得られたデータは測線沿いの地形データとともに通常の2次元解析を行い、地形を含めた比抵抗分布図を得ることができる。図2Cでは偽像の発生は抑えられているが、低比抵抗部のコントラストは小さいという結果が得られた。
  4. 以上の結果から、2次元探査データに対する3次元地形補正では、比抵抗異常部の検出には従来法が、偽像の発生を抑えた結果が必要な場合には提案手法が適している。
成果の活用面・留意点 Vmod2d 及びVmod3d は一般に異なるプログラムにより計算されるため、電位計算誤差を低減するため、それぞれ平坦地形に対する計算値によって正規化することが望ましい。
図表1 228081-1.gif
図表2 228081-2.gif
カテゴリ コスト

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