タイトル |
同一水系のドジョウを対象とする遺伝的な個体群構造の分析手法 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所 |
研究期間 |
2006~2007 |
研究担当者 |
小出水規行
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発行年度 |
2006 |
要約 |
マイクロサテライトDNAマーカーを利用して、対立遺伝子頻度による遺伝的分化尺度(Fst)からドジョウの遺伝的構造を確認することができる。本手法により谷津田域における同一水系のドジョウは遺伝的に3群に大別される。
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キーワード |
ドジョウ、マイクロサテライトDNA、同一水系
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背景・ねらい |
近年、DNA等の分子マーカーによる生物個体群の遺伝的解析が注目されている。中でもゲノム上に点在するマイクロサテライトDNAは、CA、CTA等の2~5塩基の繰り返し配列からなり、その繰り返し数は個体レベルで異なることが知られている(多型と呼ばれる)。ここでは、マイクロサテライトDNAにおける多型特性を利用して、同一水系のドジョウを対象とする遺伝的な個体群構造の分析手法を提案する。
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成果の内容・特徴 |
- 日本DNAデータバンクにおける登録塩基配列から、ドジョウのマイクロサテライトDNAマーカー(以下、遺伝子座)を検索し、遺伝子座に固有のPCRプライマーを設計する。ここでは表1に示す遺伝子座及びそのプライマーを利用する。
- 千葉県下田川流域の農業排水路7本から(図1)、2004年9月に各水路の3~8地点で採捕したドジョウを合計24個体ずつ(標準体長平均±標準偏差:7.1±2.2cm)使用する。
- 採捕個体の尾鰭組織(約2mm四方)からDNAを抽出後、PCRプライマーを用いてDNAを増幅し、各遺伝子座における繰り返し配列の長さ(以下、対立遺伝子)を個体別に決定する。
- 各水路の個体群には、すべての遺伝子座で複数の対立遺伝子(2~19個)があることを確認し(表2)、これらの対立遺伝子頻度から推定されるヘテロ接合度(遺伝的多様度)はハーディー・ワインベルグ平衡(交配の任意性)から逸脱していないことを検証する(p>0.05)。
- 対立遺伝子頻度から個体群間の遺伝的分化尺度(Fst)を算出し(表3)、その値について平均距離法による樹形図を作成する(図2)。個体群間の分化はほとんど認められず、樹形図の構造からドジョウは3群に大別される。
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成果の活用面・留意点 |
- 同じマイクロサテライトマーカーでも対象個体群によって複数の対立遺伝子が見られない場合がある。少数個体を用いた予備分析を行うことが望ましい。
- マイクロサテライトを用いて個体群の遺伝的構造を分析することにより、その成果は水路ネットワークの再生を図るための基礎情報として、利用が期待される。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
馬
DNAマーカー
ワイン
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