土質の違いによる一面せん断試験の周面摩擦特性と垂直応力の補正法

タイトル 土質の違いによる一面せん断試験の周面摩擦特性と垂直応力の補正法
担当機関 農地
研究期間 2006~2007
研究担当者 井上敬資
古谷保
山田康晴
川本治
中里裕臣
発行年度 2007
要約  一面せん断試験により土のせん断強度を測定する場合の垂直応力の補正法についての提案である。加圧板側と反力板側の垂直応力の値と試料の土質によって周面摩擦特性を分類でき、せん断面の垂直応力を補正することができる。
キーワード 一面せん断試験、周面摩擦、カオリン、三隅砂
背景・ねらい  地すべり対策工の設計において、地盤のせん断強度は最も基本的な定数の一つである。この測定には三軸圧縮試験機や一面せん断試験機、リング式せん断試験機等が用いられてきた。このうち一面せん断試験機は、比較的少ない試料で最大強度から残留強度までの測定を行うことができ、また試験機と試験法が比較的簡単であるため多くの測定に用いられてきており、現在では垂直荷重計を反力板側に設置した一面せん断試験機(反力型)が地盤工学会の基準になっている。しかしながら、この試験機は土試料の土質と密度、固結の程度等によって供試体とせん断箱内面との摩擦(周面摩擦)の向きが変化し、例えば正規圧密粘土についての現行基準による定圧試験ではせん断強度が過大に求まるなど、垂直応力の補正法に問題があった。このため土質の違いによる反力型一面せん断試験機の周面摩擦特性を明らかにし、垂直応力の補正法を提案する。
成果の内容・特徴
  1. 反力型一面せん断試験機で乾燥砂のような粒状の供試体をせん断する場合は、ダイラタンシーの正負にかかわらず反力板側せん断箱の周面摩擦はほとんど無く、せん断面の垂直応力は反力板側荷重計で計測された値に近い(図1、2)。
  2. 正規圧密粘土の定圧及び定体積試験で、反力板側垂直応力が加圧板側垂直応力よりも小さい状態では、供試体層厚の大小にかかわらず加圧板側及び反力板側せん断箱に一定の周面摩擦が存在する(図3)。この場合、せん断面の垂直応力は加圧板側垂直応力と反力板側荷重計で計測された応力の平均値に近い(図3と4を比較)。
  3. 反力板側垂直応力が加圧板側垂直応力よりも大きい状態では、土質によらず、せん断面の垂直応力は反力板側荷重計で計測された値に近い。この状態は、供試体がせん断時に膨張する場合に発生しやすく、また正規圧密粘土でも、定体積試験で上下せん断箱の間隙が小さい場合に発生することがある。
  4. 中間土では、試料の粒度分布や固結の程度等により、せん断面の垂直応力は加圧板側と反力板側の垂直応力の平均値、又は反力板側垂直応力のいずれかに近い値となる。この場合、定圧と定体積試験を併用すると判別できることが多い。
  5. 周面摩擦を補正したせん断面の垂直応力は、加圧板側、反力板側の垂直応力の状態、試料の土質により、表1のように分類される。この表に従って試験結果を整理することにより、周面摩擦が補正された精度の高いせん断強度が得られる。
成果の活用面・留意点
  1. ユーザーは地すべり対策に関係する国・県等の事業所、独法の研究所、大学、建設関連企業等である。この分類表は対策工の安全性や経済性の向上に寄与する。
  2. 今後、三軸圧縮試験との比較も行いつつ、今回得られた表1による分類の妥当性を種々の土試料について検証することが望ましい。
図表1 228154-1.gif
図表2 228154-2.gif
図表3 228154-3.gif
図表4 228154-4.gif
図表5 228154-5.gif
カテゴリ 乾燥

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