| タイトル |
補償変分と等価変分のスルツキー近似 |
| 担当機関 |
農業総合研究所 |
| 研究期間 |
1994~1995 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
1994 |
| 要約 |
価格変化による消費者の厚生変化の適格な指標である補償変分・等価変分の測定は通常は困難であるが、スルツキーの需要関数の積分によりそれらを近似する手法を開発した。
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| 背景・ねらい |
環境の変化や経済政策の変化は、市場財の価格変化を通して消費者の厚生に大きな影響を与える。消費者の厚生変化を評価する指標としては、ヒックスにより提示された補償変分(CV)・等価変分(EV)が経済学的に適格なものであることは一般に認められているが、その測定は通常の市場データからは困難であるため、マーシャルの消費者余剰(CS)がそれらの近似として広く使用されている。CSは測定が簡単である反面、価格変化する財の所得効果が大きい場合には、近似の誤差が大きいことが知られている。そこで、本研究では、市場データよりスルツキーの需要関数を求め、その積分によりCV・EVを近似する手法を開発した(以下で、それぞれ「CVS」、「EVS」と略記する)。
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| 成果の内容・特徴 |
- 1財の価格が変化する場合には、CVの近似としてのCVSは、価格低下の場合にはCSよりも正確であり、EVの近似としてのEVSは、価格上昇の場合にはCSよりも正確であることを、理論的に明らかにした。
- 次に、近似の精度を定量的に比較するために、需要関数が線形もしくは両対数型である場合を仮定して、様々なパラメーターを与えて誤差を測定した。その結果、価格弾力性が小さい財、つまり、基本的食料のように価格が大きく変化しても需要量の変化が小さい財については、CSよりも良好な近似結果が得られた。
- したがって、CVS・EVSはCSと同様に市場データより簡単に計算できる指標であるため、価格弾力性の小さな食料等の財の価格変化が消費者の厚生に及ぼす影響を評価するとき、CSと補完的に使用すればより正確な推定結果が得られることになる。
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| 成果の活用面・留意点 |
(図1)
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| 図表1 |
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| カテゴリ |
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