提示額バイアスを除去したCVMによる公共サービスの経済評価

タイトル 提示額バイアスを除去したCVMによる公共サービスの経済評価
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1998~2000
研究担当者
発行年度 1998
要約 公共サービスの評価にあたって減税後に支払額を質問する税払戻し方式により,2肢選択CVMにおける提示額バイアスを除去する方法を開発し,家庭系一般廃棄物処理事業の便益を推計すると年間9.51億円となった。
背景・ねらい 農業の持つ公益的機能などの発現に対して政府等が何らかの支出を行っている場合には,C
VM推計は追加的負担を行う「基金」とは別の支払形態で評価することが必要である。そこ
で,そのような場合の支払形態として,減税後に支払意志額を質問する「税払戻し方式」を
考案し,これを理論的・実証的に検討した。また,評価額の推計に当たっては,2段階2肢選
択CVMを用いたが,この手法では提示が評価額に影響を与えていることが知られている。
そこで,提示額バイアスを除去した評価手法も合せて開発する。
成果の内容・特徴
  1. 2段階2肢選択CVMにおいて,第1提示額に対する回答と第2提示額に対する回答との一貫性
    を識別できる判別式を考案した(表1)。第1回答と第
    2回答に一貫性があまり見られなかったので,第1提示額のみを使用した推計結果を示す
    (表2)。

  2. 提示額バイアスを除去するモデルを考案することにより,最大で誤差が80%縮小し,より頑
    強な推計値が得られるようになった(表2)。
  3. 住民が税金による公的サービスの提供を理解しやすく,かつその供給コストとの比較が容易
    な事例として,北海道北見市における家庭系一般廃棄物処理事業を取り上げた。その便益は
    年間1世帯当たり47,184円となり,サンプルの使用率を考慮して市全体では年間9.51億円の
    便益あると推計した。他方,それに対応した処理費用は年間約8億円,固定費を除くと約2.4
    億円であるから,北見市では比較的安価なコストでゴミ処理サービスを提供していることが
    明らかになった。また,この評価額は2000年に建設される新たなゴミ焼却施設の事業費用決
    定の一つの基礎データとなった。
成果の活用面・留意点
  1. 農林業のもつ公益的機能評価を一層厳密に行える。
  2. リサイクルや有機堆肥化の推進にあたり,市民の便益評価を組み込むことにより,合意形成
    や行政の基礎情報として利用できる。
  3. 行政による各種事業評価に使用でき,適切な予算額が算出できる。
カテゴリ コスト

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