| タイトル |
環境・資源制約要因を考慮した世界食料需給モデルの開発 |
| 担当機関 |
客員研究員 |
| 研究期間 |
2001~2003 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
2003 |
| 背景・ねらい |
輸入食料への依存度の高い国にとって、世界の食料需給情勢は常に重要な関心事となっている。そして世界の食料供給の長期的な可能性については、不確定な要素も多く、人口増加と様々な資源環境問題の顕在化を重視する悲観的な議論が多くの注目を集めている。しかし一方では、農業技術の進歩の大きな可能性を考慮し、将来の食料事情に対して明らかに楽観的な見方を示す議論もなされている。この課題では、新たな計量モデルの開発・利用を通じて、長期の食料問題に対して、客観的かつ定量的な情報の提供を行う。 通常の農産物の需要-供給モデルに供給制約条件を加味した新たな食料需給予測用モデルの開発を行う。そして、そのモデルを利用した各種のシナリオ分析を実施することで、将来の世界の食料需給情勢を、資源環境問題をふまえた視点から明らかにする。
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| 成果の内容・特徴 |
- 供給関数への資源制約要因の導入
穀物の供給関数への資源制約条件の導入をはかるため、需給モデルの供給側を、「配分可能な固定生産要素を利用する多財生産者の最適化行動」として定式化し、各種パラメーターの推定を行い、「資源制約パイロットモデル」を開発した。この新しい需給モデルは、米、小麦、トウモロコシの3大穀物を対象として、世界各国の需給を分析する部分均衡モデルであり、食料生産への制約要因として、農地面積(土地)と灌漑農地面積(水)の2つの要素が明示的に組み込まれている。
- 資源制約パイロットモデルを利用し、農地面積と灌漑地面積の伸び率に関する3つのシナリオ(表参照)に基づいて、2030年までの穀物の生産(図参照)、消費、価格等の需給動向を分析した。予測結果のうち、国際穀物価格については、シナリオ設定の枠内ではあるが、極端な上昇といった事態は想定しがたいということが示された。ただし、この比較的楽観的な予測結果が、開発途上国など現在の一部地域における食料問題の改善を直ちに意味するものではないことには注意する必要がある。
- 国連による人口推計値に基づくシナリオ分析では、高位予測と低位予測のそれぞれの人口予測値に対応した世界の穀物需給情勢を定量的に示した。
- ASEAN諸国の動向に焦点を当てた分析では、現在進行している経済のグローバル化に伴って、将来にわたって食料生産の国際分業が深化していく姿が示された。そして、食料需給をめぐる様相の変化が、これまでは主食である米の自給体制を目指してきたこれら諸国における農業政策課題の多様化につながっていることを明らかにした。
- FAOの世界食料モデルへの資源制約要因の導入
油糧種子と穀類との間での作目転換や、穀類の食用消費と飼料用消費との間での代替の可能性等を考慮し、資源制約問題の顕在化に対する一連の経済的反応をより精緻に検討するため、FAOの世界食料モデル(World Food Model(WFM))に農地面積を説明変数として導入したWFM-PRIMAFFモデルを開発した。このモデルによるシナリオ分析では、食料生産大国である米国と中国の農地面積が10%程度減少しても、こうしたショックは、土地利用率の向上、作目転換、貿易の拡大等により、大幅に緩和されうることが示された。(この成果は主として客員研究員柳島宏治(現FAO職員)による。)
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| カテゴリ |
小麦
飼料用作物
とうもろこし
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