麦跡だいずの一工程畝立播種栽培技術

タイトル 麦跡だいずの一工程畝立播種栽培技術
担当機関 四国農業試験場
研究期間 1993~1996
研究担当者 吉永悟志
宮崎昌宏
恒川磯雄
香西修治
松島貴則
上村幸正
発行年度 1993
要約 西南暖地の稲・麦・だいず体系における麦跡だいずを改造ロータリを用いて前作麦わらを鋤込みながら一工程で畝立播種する。播種作業が迅速・簡単にできるとともに、播種後の降雨による滞水被害もなく、初期生育が安定する。
背景・ねらい 西南暖地の水田における稲・麦・たいず体系確立のため、麦跡大豆の安定・省力栽培技術を開発する。当地域のだいず播種期は梅雨期と重なり、作業可能日数が少なく、年により播種不能や播種期の大幅遅延を生ずることも多い。また、適期に播種できた場合でも播種後の多雨のため著しい生育障害を生ずることもある。そこで、短時日のうちに播種作業ができ、かつ出芽後の多雨・滞水などによる障害を防止できるたいず栽培技術が必要である。
成果の内容・特徴
  1. 麦跡だいずを一工程で耕うん・畝立しながら播種するので、作業が迅速・簡単にできる(表1)。また、播種後の降雨による滞水被害が回避でき、初期生育が安定する。
  2. 用いるロータリは、市販のものを簡単に改造し、培土板と播種機を装着したもので(図1)、機械コストも高くない(表2)。
  3. 前作の麦わらは、切断散布されたものを鋤込みながら作業する。わらの量が多いと畝に高低を生じ欠株率がやや増加し、初期生育も抑制されるが収量への影響は少ない(表4)。
  4. 畝巾は70㎝とし、畝の高さは10~15cm程度とする(図1)。
  5. 肥料の施用は播種時とする(表3)。なお、施肥部は必要に応じ播種機に着脱する。
  6. 除草剤は、土壌処理剤を播種後に液剤で散布する(粒剤は均一性が劣る)。
  7. 中耕培土は本葉4~5枚の頃に1回行う。
  8. これ以降の管理は通常のだいず栽培に準じて行う。
成果の活用面・留意点 畝は、高すぎるとあとの培土作業がしにくくなり、低すぎると排水効果が劣るので両方を勘案して調節する。なお、平畝播きに比べ培土量が少なくなるので倒伏しやすい品種には不向きである。また、多雨時に畝間に滞水しないよう落水口との連結をよくする。
麦わら量が多い場合(約600kg/10a以上)には、播種作業時にロータリカバー内にわらがつまることがあるので注意する(この時ロータリを上げて排出)。また、施肥量も窒素の有機化に対応するためわら量に応じて多めに施用する。
  
図表1 228574-1.jpg
図表2 228574-2.jpg
図表3 228574-3.jpg
図表4 228574-4.jpg
図表5 228574-5.jpg
カテゴリ 肥料 病害虫 コスト 栽培技術 除草剤 水田 施肥 大豆 土壌処理 播種 品種

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