タイトル |
ヤーコンの結実性 |
担当機関 |
四国農業試験場 |
研究期間 |
1996~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
ヤーコンは舌状花にのみ結実し、管状花には結実しない。多くは自家不和合性であるが自家和合性系統も存在する。交配不和合性があり、形態の類似した系統間の交配では結実しない。
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背景・ねらい |
南米アンデス原産のキク科作物ヤーコンは塊根に多量のフラクトオリゴ糖を含有し、機能性に富んだ根菜として日本での作物化が期待されている。未改良のため高い品種改良効果が期待されるが、文献では結実不能と報告され、現地でも交配育種は実施されていない。交配育種を効率的に進めるため、結実性を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- ヤーコンの花は中心部に同心円状に存在する約100の管状花(両性花)とその外縁に同心円状に1列に着生する約14の舌状花(雌花)からなる。
- 開花は舌状花と最外周の管状花から始まる。管状花の開花は中心部にむけ求心的に進行し、約1週間で開花を終了する。
- 管状花は開花当日の朝(午前8時頃)開葯する。その後、雌ずいが筒状の葯中を越して伸長する。このため、授粉用の花粉は、開葯後雌ずいの葯中伸長までの午前8縲怩X時に葯ごと採取する。開葯、雌ずいの伸長は気温、系統により遅速がある。
- 大多数のキク科植物と異なり、管状花は結実しない(表1)が舌状花には結実する(表2、3)。
- 多くの系統は自家不和合性であるが、SY106、SY107は自殖でも結実する(表2)。
- 交配不和合性が存在するが、草形等の形態の異なる系統間の交配により交雑実生を獲得できる(表3)。
- 舌状花の結実能力は花弁展開後3縲怩S日間持続する。花粉は能力は低下するが開葯1日後も発芽力をもつ。低温貯蔵(5℃、保湿)により貯蔵1日後も開葯時と同程度の結実能力を保持できる(表4)。
- 時刻に関係なく交配は可能である(表5)。
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成果の活用面・留意点 |
- ヤーコンは栄養系繁殖であり、雑種は育種素材としてすぐに利用できる。
- 柱頭能力は開花後徐々に低下するので、開花2日後までに交配すると良い。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
育種
きく
機能性
繁殖性改善
品種改良
ヤーコン
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