タイトル |
つぼみ強制開花法によるカーネーションの開花促進 |
担当機関 |
愛媛県農業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
水口 聡
川崎哲郎
渡辺 久
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発行年度 |
1999 |
要約 |
カーネーションを直径1.5cm以上のつぼみ状態で採り、スクロースを3%含む溶液に生け、温度25℃、光環境1klxで12時間日長の条件下で強制開花処理すると、開花促進効果があり品質も低下しない。
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背景・ねらい |
カーネーションは母の日前に高価格が期待できるが、栽培技術による開花の調節には限界があり、母の日用出荷に開花が間に合わない花が多く残ってしまう。流通上の出荷調節法として、出荷を遅らせるための「低温貯蔵法」があるが、貯蔵中の品質低下が懸念される。そこで、新たな出荷調節法として、つぼみ強制開花法を用いた開花促進技術を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 平均気温20℃のガラス温室内で生育すると、直径1.5cmのつぼみが22日で出荷段階となるが、スクロース3%、8-HQS(8-ハイドロキシキノリン硫酸塩)200ppmおよび硝酸銀25ppmを 含む溶液に生け、1klx12時間日長の光環境下に置き、温度を20、25および30℃で強制開花させると、それぞれ21、12、および10日で出荷段階となる(表1)。
平均気温20℃のガラス温室内で生育すると、先端が開き始めたつぼみ状態のものが15日で出荷段階となるが、上と同様に20、25および30℃で強制開花させると、それぞ れ12、9、および7日で出荷段階となる(表1)。 開花液に水を用いると、いずれの条件下でも生育途中で萎れて枯死してしまう。 - 処理温度を20および25℃にすると、花弁色調の変化が少ない(表2)。
- 処理中の光環境は連続照射より12時間日長の方が花持ちがよい(表3)。
- 強制開花個体は花径や下垂指数には適期収穫個体と差がなく、花持ち日数は適期収穫個体より長くなる(表4)。
- つぼみ強制開花法を出荷調節技術として用いることにより、生育の遅れたものを母の日用出荷に間に合わせることができ、品質面でも低温貯蔵したものより優れるため、かなりの増収が期待できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 強制開花には直径1.5cm以上のつぼみが適用可能。
- つぼみ強制開花法はスタンダード系品種‘ノラ’には適用できるが、他の品種については未検討である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
カーネーション
栽培技術
出荷調整
品種
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