ヤーコン塊根の褐変防止法

タイトル ヤーコン塊根の褐変防止法
担当機関 四国農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 神山紀子
発行年度 2000
要約 ヤーコン塊根の褐変は、ポリフェノールオキシターゼ(PPO)がクロロゲン酸等のポリフェノールを酸化することにより起こる。褐変は、皮層を含む周囲部で顕著であり、強酸性処理や阻害剤でPPO活性を低下させることにより抑制できる。
背景・ねらい
ヤーコン塊根は、フラクトオリゴ糖を豊富に含む低カロリーの食品素材であるが、剥離、裁断、搾汁により褐変を起こしやすく、外観品質の低下が加工上の問題となる。そこで、褐変の要因および反応に関与する酵素の特性を明らかにし、褐変を低減させることを目的とした。
成果の内容・特徴
  1. ヤーコン塊根の搾汁の褐変は、ポリフェノール含量とよく相関し(r=0.573**、n=27)(図1)、切り口(横断面)の褐変は、ポリフェノールオキシターゼ(PPO)活性と相関する。(r=0.392*、n=33)。
  2. 搾汁の褐変は、クロロゲン酸の添加によって促進され、ポリビニルピロリドンやアスコルビン酸を添加することにより抑えられる(図2)。ヤーコンに含まれるクロロゲン酸は、褐変に伴い減少する。
  3. 塊根を周辺部(周皮、皮層を含む)、中間部、中心部、(中心柱を含む)の3つの部位に分けると、ポリフェノール含量、PPO活性、搾汁の褐変は、いずれも周辺部で顕著である(図3)。
  4. 塊根のPPOの至適pHは約5であり、pH2以下での活性は、pH5のときの5%に低下する。また、70℃以上の加熱処理や、pH2以下の強酸処理でPPO活性の大部分が失われ、NaCl、アスコルビン酸、エタノール等により阻害される(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. ヤーコン搾汁やスライスの褐変は、皮層の除去や、PPO活性の失活又は阻害に」より低減させることができる。
  2. ヤーコン塊根のポリフェノール含量やPPO活性は、塊根ごとのばらつきが大きい。

図表1 228916-1.jpg
図表2 228916-2.jpg
図表3 228916-3.jpg
図表4 228916-4.jpg
カテゴリ 加工 ヤーコン

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