黒潮続流域におけるマイワシ仔稚魚の分布と成長

タイトル 黒潮続流域におけるマイワシ仔稚魚の分布と成長
担当機関 東北区水産研究所
研究期間 1989~1998
研究担当者 横内克巳
松尾 豊
杉崎宏哉
発行年度 1994
要約 本州南方で孵化したマイワシが、黒潮及び黒潮続流に沿って本州東方沖に輸送され、この海域で成長し、変態して稚魚になることを確認した。マイワシ稚魚は餌生物の豊富な親潮系水域にあるマイワシの索餌場に到達し資源加入すると考えられ、この海域における仔稚魚期の生残が、国内の水揚げ高の大きな割合を占める北西太平洋系群のマイワシの大規模な資源量変動に大きな影響を与えていると推察される。
背景・ねらい マイワシは大規模な資源量変動を繰り返しており、近年著しい減少傾向が見られている。マイワシ稚魚の成魚資源への加入量の減少が資源量減少の大きな要因として考えられている。そこで、資源加入量の変動のメカニズムを明らかにするため、産卵されてから加入するまでの成長にともなう移動と減耗の過程を把握する。とくに、黒潮及び黒潮続流によって輸送され、大規模な回遊を行うマイワシ仔稚魚の分布と成長、捕食による減耗を明らかにすることを目的としている。
成果の内容・特徴
  1. マイワシの主要な産卵期及び仔稚魚出現期である2月から6月にかけて本州南方の黒潮横断観測、及び本州東方の黒潮続流における観測を行った結果、マイワシ仔魚(しらす)は東経155°以西の海域に分布し、本州東方海域では黒潮続流の北縁や暖水塊の縁に集中的に出現し、東西方向に連続して分布していたことが確認された。また、マイワシ稚魚(かえり)が東経150°以東の黒潮続流以北の海域で東西に連続的に採集された(図1、図2)。また、マイワシ仔稚魚は東方で採集されたものほど大きくなっている傾向がみられた(図3)。
  2. 観測結果から、本州東方に輸送されたマイワシ仔魚が稚魚期にまで成長していることが確認されると共に、マイワシ稚魚は冷水域へ適応しつつあることが認められ、餌の豊富な親潮系水域の索餌場に移動して成魚資源に加入することが示唆された。
成果の活用面・留意点
  1. この研究の結果、本州東方の黒潮続流域が仔稚魚が成長し資源加入に至るまでの生活史における重要な海域であることが確認されたため、今後、黒潮続流域のマイワシ仔稚魚の調査を継続することにより、未だに解明されていない大規模なマイワシの資源変動のメカニズムを解明するための重要な情報が得られる。
  2. 資源加入量に影響を与える減耗要因の特定が今後の重要な課題であり、仔稚魚の捕食者や、成長に伴う生理状態の変化などのデータの蓄積が必要である。
図表1 228931-1.gif
図表2 228931-2.gif
図表3 228931-3.gif
カテゴリ 輸送

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