魚群探知機を利用したマアジ現存量の推定

タイトル 魚群探知機を利用したマアジ現存量の推定
担当機関 西海区水産研究所
研究期間 1990~1994
研究担当者 原 一郎
発行年度 1994
要約 海の場合には陸上のように目視観察は容易ではないので魚群をとらえるには音響を利用した魚群探知機などの機器が必要となる。本研究においては魚群探知機を用いた調査船調査によりマアジの魚群行動を明らかにするとともに魚群の分布密度を求め現存量の迅速な直接的な評価手法の開発を行なった。
背景・ねらい あじ・さば・いわしに代表される多獲性の浮魚類の特徴は群れを形成することと季節的な回遊をすることである。したがって資源評価をする場合には魚群の行動、分布パターンなどの魚群の生態的なことを明らかにしなければならない。また特定海域の資源量(現存量)を求めるためには全数調査が望ましいが、実際には困難である。標本抽出により母集団を推定するわけであるが、ここでは単純な引き伸ばしによらないで、確率論を応用した引き伸ばしを行った。
成果の内容・特徴
  1. マアジの分布を鉛直的にみると、躍層よりも下層の海底または海底近くに分布する。水温帯は概ね15~20℃である。
  2. 日単位の漁場の移動と中層の水温分布とは良く対応し、底層水の張り出しに多く分布する。
  3. 魚探記録紙上の水平方向の幅(切断長)と鉛直方向の高さ(厚さ)で魚群の大きさを代表させると、切断長で100m、200mに近い大きな魚群が3群みられたが、切断長30~60m・厚さ4~10m程度の大きさであった。
  4. 魚群密度:海面から魚群を見下ろしたときの魚群の形状を円と仮定してLine Transect Sampling(Vries 1978)により魚群密度を推定した。モデルは「ある区域にランダムに投げた円盤(魚群)が直線(航走定線)と交わる確率と、円盤と直線とが交わった時の弦の長さ(切断長)から投下した円盤の密度の不偏推定量を求める」である。魚群密度は、円の直径が任意の場合には個々の切断長を補正(Santalo 1976)して6.7群/海里2、円の直径が同じ場合には23群の切断長の平均値(55.7m)を補正して5.5群/海里2と求められた。
  5. 現存量:調査海域の広がりがほぼ935海里2(緯経度10' 区画で11区画)であったことから、最小推定値としての現存量は935×5.5×6/4=7,714トンである。
成果の活用面・留意点 この成果は、漁海況予報、資源評価に利用される。さらに資源管理・漁業管理にも応用される。
(図)
図表1 228935-1.gif
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