ヒラメ着底仔稚魚の減耗と餌料環境条件

タイトル ヒラメ着底仔稚魚の減耗と餌料環境条件
担当機関 西海区水産研究所
研究期間 1992~1996
研究担当者 佐野元彦
大坂幸男
輿石裕一
発行年度 1996
要約 浮遊生活を終えたヒラメ仔魚は、10m以浅の極沿岸海域に着底する。着底の成功はその後の資源量に大きく影響すると推察されるが、着底期の餌生物(アミ類)組成及び分布密度が着底後の生き残りを左右する重要な条件であることが明らかになった。
背景・ねらい 重要な栽培漁業対象種として多くのヒラメ人工種苗が放流されている。一方、極沿岸域のヒラメ稚魚分布密度は海域や年度により大きく変動するが、変動をもたらす要因が不明なため放流条件、放流量の決定や漁況予測のネックとなっている。本研究ではヒラメ稚魚が餌生物のほとんどをアミ類に依存するという特徴に注目し、経年的なモニタリング調査結果を用いた生き残りに対する餌料条件の影響の解明を目的とした。
成果の内容・特徴
  1. 新潟県(1981~1988年)及び長崎県(1991~1995年)の砂浜地先海域において行ったヒラメ仔稚魚とアミ類の分布密度モニタリング調査結果を解析に用いた。
  2. 極沿岸域のヒラメ稚魚分布密度には20倍(長崎)~200倍(新潟)の変動が見られたが、特に極めて分布密度の低い年が出現し、注目された。これらの年には、着底期のアミ類分布密度も低かった。
  3. アミ類は行動の特徴から遊泳性、匍匐性、潜砂性に分類されるが、遊泳性のアミ類分布密度は匍匐性、潜砂性の種類より大きく変動することが明らかとなった。また、遊泳性のアミ類が極端に減少していた年はヒラメ稚魚の分布密度が低い年に一致した。
  4. 放流実験によりヒラメ稚魚は匍匐性や潜砂性のアミ類より遊泳性のアミ類を好むことが明らかにされ、遊泳性のアミ類分布密度が低い年の着底仔稚魚は、空胃で飢餓状態にあった。また、着底したばかりの仔稚魚密度はこれらの年にも比較的高かった。これらより、着底期に利用度の高い餌生物が不足すると成長した稚魚密度が低い=着底期の減耗率が高いと推察された。
成果の活用面・留意点 着底期の生活様式の変化は、飼育魚を海域に放流する時の環境変化に類似しており、研究結果は放流技術開発にも活用できる。また、資源変動予測の基礎資料とすることができる。着底期の減耗の直接的な要因は外敵生物による捕食と推定され、捕食による減耗の実態、減耗量の予測が必要。
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図表2 229028-2.jpg
図表3 229028-3.jpg
カテゴリ モニタリング

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