サンゴの栄養状態の評価

タイトル サンゴの栄養状態の評価
担当機関 西海区水産研究所
研究期間 1994~1996
研究担当者 橋本和正
手島和之
梅澤 敏
澁野拓郎
発行年度 1996
要約 サンゴの栄養状態を表す指標を検討するため、既にイワシ稚仔魚などで用いられている核酸比の測定を行った。その結果、乾燥重量/DNAと核酸比との間に高い相関が認められた。従って、核酸比が高ければサンゴの栄養状態は良い、と考えられる。
背景・ねらい 近年、造礁サンゴを中心とする生態系の崩壊が懸念されている。サンゴ礁の保全を考える上では、既に被害を受けた場所の復元を試みるとともに、現在生存しているサンゴの健康状態を把握することが重要である。
イワシの稚仔魚などで、核酸比(RNA/DNA)を成長量の指標とした研究がこれまでに報告されている。サンゴでは核酸比の報告例はないが、成長や生理状態の指標となりうる可能性がある。核酸比はサンゴの組織量や表面積を測定しなくてもよいため、活性の指標として使えれば、簡便に評価できる方法として期待できる。
成果の内容・特徴
  1. サンゴの核酸比と乾燥重量/DNAとの間には、高い相関が見られる(図1,図2)。乾燥重量/DNAは細胞あたりの乾燥重量の指数であり、サンゴの栄養状態を反映していると考えられる。従って、核酸比が高ければサンゴの栄養状態は良いと考えられる。
  2. ひとつのサンゴ群体の中でも、核酸比の値にはかなりばらつきが見られる(図2)。アザミサンゴの1群体内のポリプ48個について測定したところ、図2のとおり、核酸比は0.4~1.3とばらつきの大きいことが分かった。ポリプはお互いに組織でつながっているにもかかわらず、その栄養状態は大きく異なることが示唆された。
成果の活用面・留意点 外見からはよくわからないサンゴの健康状態を、核酸比という簡単な方法で評価できる。ただし、種によって核酸比は異なるため種ごとの基礎的データが必要である。
図表1 229029-1.JPG
図表2 229029-2.JPG
カテゴリ 乾燥

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