アサリ浮遊幼生の生化学的種判別法の開発

タイトル アサリ浮遊幼生の生化学的種判別法の開発
担当機関 南西水研
研究期間 1995~1997
研究担当者 石岡宏子
薄 浩則
浜口昌巳
発行年度 1997
要約 従来形態によって種判別を行っていたアサリ浮遊幼生の同定を、アサリ種特異的ポリクローナル抗体の開発および、アサリ特異的核DNAまたはミトコンドリアDNAの領域を決定することによって簡便に行う技術開発に成功した。
背景・ねらい 近年、西日本のアサリ生産量は激減の一途をたどり、資源管理のための調査が様々なレベルで行われている。しかし、浮遊期のアサリの動態に関しては形態識別に熟練と長時間を要するため、成果が得られていないのが実態で、簡便に、精度高く、多回数の調査を可能とする生化学的手法による種判別技術の開発はつよく求められていた。近年の蛋白質化学、分子生物学的手法の進展はこの問題解決への道を開くものであった。
成果の内容・特徴
  • 種苗生産したアサリ浮遊幼生を抗原とし、モノクローナル抗体を作成した。
  • 多数の融合細胞の中から、他の浮遊幼生とは交差反応を示さない抗体を産成する細胞10株を得ることができた。
  • 得られた細胞によって産生される抗体は、それぞれ浮遊幼生の認識サイトが異なることが明らかになり、組み合わせによっては発育段階の特定も可能と考えられた。
  • アサリの核DNAカルモヂュリン、MHCclassⅠ、Ⅱ領域とミトコンドリアCOⅠ領域の塩基配列を決し、同属のヒメアサリとと比較してアサリに種特異的と考えられる複数のプライマーを設計、合成した。
  • これにより、日本、中国、韓国のアサリで、PCR法によりDNA増幅断片が得られる事、アサリ漁場周辺に出現する64種類の二枚貝では増幅がない事を明らかにし、これらの結果からアサリ種特異的プライマーを選定した。
  • 海域でプランクトンネットにより採集した試料を用いて、これを間接蛍光抗体法により処理し、蛍光顕微鏡下で形態観察を行い、ついで蛍光幼生物質を単離し、それぞれについてアサリ特異的プライマーを用いてDNA判別を行い、抗体の精度を検討し、十分な精度の抗体である事を確認した。
  • 蛍光抗体法または、酵素抗体法を用いた2通りの種判別システムを設計した。
成果の活用面・留意点
  • アサリの発生量、定着量等を推定する際に、今回開発された手法により行えば、誰でも精度高く浮遊期のアサリの動態を明らかにできる。
  • 抗体の作成、供給は現在では南西水研資源増殖部、介類増殖研究室で行っているが、現在申請中の特許取得後はそのプロトコールに従って利用に便利なところで作成することが出来る。
  • 南西水研資源増殖部介類増殖研究室で、アサリ浮遊幼生の同定に関する研修を行う事が出来る。
図表1 229052-1.gif
図表2 229052-2.gif
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