ミンククジラ可食部の成分

タイトル ミンククジラ可食部の成分
担当機関 中央水産研究所
研究期間 1996~1998
研究担当者 飯田遙
山下由美子
大村裕治
横山雅仁
金庭正樹
村田裕子
発行年度 1997
要約 クジラの栄養学的知見は商業捕鯨が隆盛時の大型鯨が主であるので,ミンククジラについて包括的に分析した。ミンククジラの赤肉は低脂肪,高タンパク質で低カロリーであった。総水銀,PCB及び塩素系農薬の含有は僅かであった。
背景・ねらい 1988年以降,沿岸の小型クジラを除いて日本の商業捕鯨は撤退し,ミンククジラを主体とする学術的な調査捕鯨が継続されてきている。クジラの栄養学的知見は商業捕鯨が隆盛時の大型クジラが主であり,ミンククジラについて包括的に分析した例はない。クジラの栄養成分公表値とミンククジラの成分値がどの程度異なるかを調べることを目的とした。
成果の内容・特徴
  1. 南氷洋で捕獲した大(試料No.3,♀,10.6ton),中(試料No.1,♂,5.4ton),小(試料No.2,♀,3.7ton)の3個体の赤肉,うねす(畝須)肉、あぶら(脂)皮について,五訂日本食品標準成分表に記載されている全項目および遊離アミノ酸,セレン,総水銀,PCB及び塩素系農薬の含有を測定した。なお,うねす肉とあぶら皮に付随している表皮はいずれも食用とされるので,それぞれに含めた。
  2. 赤肉は高タンパク,低脂肪(表1)で,その結果低カロリーとなり,畜肉と比較すると,このような肉はホロホロ鳥や若鶏のささ身のみが該当した。
  3. 赤肉の遊離アミノ酸の70~80%がバレニンであった(表2)。
  4. この結果と四訂日本食品標準成分表の「くじら」(種の明確な記載はない)を比較すると,赤肉のタンパク質と脂質量が異なっており,エネルギーも今回の試料の方が17%少なく脂肪酸量も1/10程度で,異なる種類のクジラが試料になったことが推測できた。
  5. 赤肉のセレン含有は0.22~0.33ppmで,畜肉より多く,魚肉より少ない値であった。歯クジラ類の水銀含有量は多いことが知られているが,ヒゲクジラ類である本資料の総水銀,PCB(ポリ塩化ビフェニール)及び塩素系農薬の含量は僅かであった(表3)。
成果の活用面・留意点 今回の試料の総水銀量,PCB量は20年前の文献値と同程度の値であったが,近年南氷洋に生息する動物において,これら成分の量が増加しているとの報告もあり,更なるデータの蓄積が必要であろう。
図表1 229064-1.gif
図表2 229064-2.gif
図表3 229064-3.gif
カテゴリ 病害虫 鶏 農薬

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