追跡ブイ調査で得られた沖縄島東方海域におけるクロマグロ仔魚の水平分布様式

タイトル 追跡ブイ調査で得られた沖縄島東方海域におけるクロマグロ仔魚の水平分布様式
担当機関 独立行政法人水産総合研究センター遠洋水産研究所
研究期間
研究担当者 佐藤圭介(熱帯性まぐろ研究室)
田中庸介(まぐろ研究室)
発行年度 2004
背景・ねらい 海産魚類の加入量の変動は加入までの累積の減耗率が決定すると考えられている。減耗がとくに顕著な仔魚期について、クロマグロ仔魚の生残に影響を及ぼす要因の相対的重要性の把握を目標として、俊鷹丸で平成16年5月から6月に沖縄島東南海域を調査した。今回は、採集方法を確立するための、仔魚の水平分布を明らかにし、クロマグロ仔魚高密度群の追跡調査の実施可能性を検証することを目的とした。
成果の内容・特徴 4つのクロマグロ仔魚の高密度群(以下、パッチ)を発見し、このうち2つに漂流ブイを投入し、追跡し、ブイの周辺で仔魚の採集をした。最初のパッチは60時間追跡し、34点の観測を行い、次のパッチは36時間、27点の観測を行った。クロマグロ仔魚の数km単位での分布についての知見はなく、今回パッチ発見直後に一定方向へ20回の表層での採集を行うことで明らかにした(図1)。最初のパッチは、直線距離で約3.2kmの間に仔魚密度は2.2~46.7(個体/1000m3)の範囲で変動した。次のパッチは、約13.9km間で2.4~359.7(個体/1000m3)の範囲にあり、パッチ発見観測点から離れるに従い指数関数的に減少する傾向があった。後者のパッチの体長4-5mm台の仔魚は少なくとも13.9kmの拡がりで分布し(図2)、6mm台の仔魚は3.6kmと7.8km以上の2つのパッチを形成した。より小型の仔魚が広く分布した。この傾向は前者のパッチでもみられた。仔魚の日齢を確認する必要があるが、予想に反して、パッチは複数の体長階級で構成され、数km単位の狭い海域で、産卵活動が少なくとも複数回以上行われ、仔魚の群れに次々に仔魚が加わり、減耗に従って分布域が縮小し、結果としてモザイク上に各体長階級の仔魚群が分布したと考えられた。ADCP観測による表層の流向とブイの動きは両方のパッチともおおむね一致した。1回目の追跡では、0日目と1日目とも、体長組成は類似の二峰性を示したものの(図3)、追跡中のいずれかの時点でブイが失われたため、ブイのパッチ追随性については言及できない。2回目は、1日目に体長4.5mm以下がみられなくなり、6mm台が増加するなど、同じパッチの仔魚の減耗と成長をとらえた結果と思われたが、いっぽうで、採集数が前日よりも多い観測点があるなど、ブイのパッチ追随性、パッチとサンプリング範囲の関係はさらに検証する必要がある。
成果の活用面・留意点 クロマグロ加入量変動機構の解明
図表1 229514-1.gif
図表2 229514-2.gif
図表3 229514-3.gif
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