タイトル |
電磁探査法による海水浸水農地の土壌電気伝導度測定 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 |
2011~2011 |
研究担当者 |
冠 秀昭
関矢博幸
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発行年度 |
2011 |
要約 |
電磁探査法により土壌を採取することなく、海水浸水農地におけるみかけの土壌電気伝導度の相対的な高低差を把握することができる。測定と同時にGPSによる位置情報を取得することで、地図上に土壌電気伝導度の等高線図を重ねることが可能である。
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キーワード |
土壌電気伝導度、除塩、塩害、電磁探査
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背景・ねらい |
海水が浸水した農地において営農を再開するには、土壌塩分濃度が高い場合に除塩を行う必要がある。しかし海水浸水農地が多数存在する場合、土壌塩分濃度の調査には多大な労力を要する。そこで、海水浸水農地において簡易かつ迅速に塩分濃度を調査するため、電磁探査法による土壌電気伝導度測定手法の適用性を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 電磁探査装置(GEM-2、Geophex社)により、非破壊、非接触で圃場内のみかけの土壌電気伝導度(ECa)を計測できる。疑似海水浸水圃場における計測では、塩化カリウムの散布量に応じて、計測されたECaが高くなっており、また土壌ECセンサによる測定値と同様の傾向を示している(図1)。
- 土壌電気伝導度の測定と同時にGPSによる位置情報を取得することで、GoogleEarth等の地図上にECaの等高線図を重ねることができ、地図上で圃場毎あるいは圃場内のECaの分布を確認することができる(図2)。
- 本装置によるECaの測定では、およそ1m以浅全体を総合的に計測していると見られる(図3)。現地圃場調査のEC鉛直分布結果では、40cm以浅のECが低く50,60cm付近に最大値がみられる。GEM-2によるECaと0~110cmの平均値との関係は、50、60cm のECが高い層の影響を受け、比較的よく一致している。
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成果の活用面・留意点 |
- 塩害回避のための広範囲に及ぶ圃場調査や除塩効果の確認に利用できる。
- 電磁探査では金属が近くに存在すると正確な測定値が得られないため、地中内に金属片が埋没している圃場や、パイプハウス内等では計測できない。
- 除塩の目安等に使用される慣行法(固液比1:5の懸濁液測定法)による電気伝導度と比較するには、測定範囲内の数カ所において土壌ECセンサにより土壌電気伝導度を測定し、その値と対比することにより簡易に行える。除塩現場での土壌ECセンサの利用法については、2011度研究成果情報「市販土壌ECセンサを用いた海水浸水農地の土壌電気伝導度簡易測定法」に記載されている。
- 本装置による計測値はECの高い土層の影響を受けることから、地表面だけでなく下層のECを把握する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/tarc/2011/111b1_10_02.html
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カテゴリ |
簡易測定
GPS
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