| タイトル | 砂浜域の食物連鎖に重要な役割を担う底生動物の個体群解析 |
|---|---|
| 担当機関 | 独立行政法人水産総合研究センター北海道区水産研究所 |
| 研究期間 | 2003~2003 |
| 研究担当者 |
伊藤 博 宇田川 徹 |
| 発行年度 | 2004 |
| 背景・ねらい | 砂浜域は底生動物の生物生産が大きく、二枚貝類やカレイ類の漁場として重要である。砂浜域の生物生産のしくみを明らかにするため、現存量の大きな底生動物を中心とした食物連鎖や生物生産構造の解明を進めている。底生甲殻類シオムシは北海道東部の好適なウバガイ漁場の優占種となることが知られおり、マツカワなど沿岸カレイ類の主要な餌料生物ともなっている。1953~1963年には北海道東部で年間平均12,000トン、最高時で年間23,600トンが肥料・餌料の原料として漁獲された。これらはシオムシが北海道東部の砂浜浅海域で現存量が大きく、主要な底生動物であることを示している。本研究では浜中湾のウバガイ漁場において、優占種シオムシの分布特性や個体群の年齢組成を解析し、波浪や底質との関係を明らかにした。 |
| 成果の内容・特徴 | 本研究では、北海道東部のウバガイ漁場における底生動物群集の優占種シオムシの分布特性と年齢組成との解析を行った。砂浜浅海域に形成されるウバガイ漁場(図1)の水深4-10mに波当たりの異なる2調査線(A線・B線)を設定し、各調査線上の水深1mごとの7調査点で4月~12月に7回の調査を行い、採泥器で採取したシオムシの個体数・体サイズ組成を調べた。A線は波当たりが強い湾口正面に、B線は波当たりが弱く海草(オオアマモ)藻場が形成される湾側面に設定した。 シオムシの密度は波浪撹乱の大きい水域で海草藻場の形成される静穏な水域よりも高かった。波浪撹乱の大きな水域での年間の平均的なシオムシ分布密度は893個体/m2で、最大値は9月の2,060個体/m2であった(図2)。体サイズ組成の季節推移の分析から、シオムシ個体群は0+(0年目)群・1+(1年目)群・2+(2年目)群の3つの年級群で構成されると推定された(図3)。また、新規加入群は主に2年目群の繁殖で産出されるものと推定された。 |
| 成果の活用面・留意点 | 本研究の成果は、浅海砂浜域生態系の生物生産に重要な役割を果たすシオムシの生態解明に資する。今後他の生物との関係等を明らかにし、シオムシを中心とする食物網および生物生産構造の解明を行う。なお,今回明らかにした波浪攪乱環境で高密度となるシオムシの分布特性はウバガイと共通であり、これがウバガイ漁場の優占種がシオムシとなる理由であると考えられる(図4)。シオムシをウバガイ漁場の指標生物として利用できる可能性がある。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| カテゴリ | 肥料 繁殖性改善 |
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