メスのマダコは外出が嫌い?

タイトル メスのマダコは外出が嫌い?
担当機関 山口県水産研究センター
研究期間 2004~2004
研究担当者 内田喜隆(山口県水産研究センター内海研究部)
発行年度 2004
背景・ねらい マダコは山口県瀬戸内海側の重要資源(漁業生産額97億円のうち「たこ類」生産額6億円;H13農林統計)であり、近年は「周防瀬戸のタコ」としてブランド化への取り組みも行われている。しかし、山口県瀬戸内海産マダコに関する研究はほとんど行われてこなかったため、生態情報を収集し資源管理やブランド化に資する。
成果の内容・特徴 山口県伊予灘で漁獲されたマダコの性比を調べた結果(図1)、「たこつぼ漁業」で漁獲されたマダコの性比は概ね♂:♀≒1:1であったが、「かご漁業」では概ね♂:♀≒3:1であり、漁法によって性比が異なることが明らかになった。さらに、主産卵期の9月には「かご漁業」でメスが漁獲される可能性はかなり低いことも分かった。「たこつぼ」は棲家を探すマダコを、「かご」は餌を探すマダコを漁獲すると考えられることから、漁法による性比の違いは性による行動の違いに起因すると推定できる。
マダコ資源量の指標として、農林統計資料から山口県瀬戸内海側の「たこつぼ漁業」のCPUE〔一隻・一日あたり漁獲重量(kg)〕を調べた結果、H6(1994)年以降からマダコ資源は高水準になっていることがわかった(図2)。また、マダコの資源変動要因を重回帰分析によって検討した結果、マダコの資源量は前年資源水準・当年夏期水温・当年冬期水温が高くなると増加し、当年有害赤潮発生件数の増加・前年の猛烈な台風襲来(山口測候所で最大瞬間風速40m以上)によって減少することが示唆された(図2,3,表1)。
成果の活用面・留意点 漁法によって性比が異なること、主産卵期にメスがほとんど漁獲されない漁法があることが明らかになったことは資源管理方策検討のための重要な知見となる。
マダコの寿命は約1年であることから、前年の資源水準は親の量と読み替えることが可能であり、産卵親の保護が資源管理上重要であることが示唆された。
有害赤潮がマダコ資源に影響を与えることを示したことで、赤潮対策の重要性が再確認された。
図表1 229551-1.png
図表2 229551-2.png
図表3 229551-3.png
図表4 229551-4.png
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