砕波帯におけるホンダワラ類(フシスジモク)藻場の造成手法

タイトル 砕波帯におけるホンダワラ類(フシスジモク)藻場の造成手法
担当機関 北海道立函館水産試験場
研究期間 2001~2002
研究担当者 函館水産試験場 資源増殖部 秋野秀樹
発行年度 2004
背景・ねらい 海産生物の産卵場の確保や環境保全のため、藻場を効率的に造成する手法が求められている。海底面や魚礁に新たな藻場を造成する手法の一つとして、あらかじめ海藻の幼芽を着生させた基質を移植する方法がある。この研究ではコンクリートを主原料とした基質上に、ホンダワラ類のフシスジモク(通称:立ち藻、立ちごも)の卵を発芽・育成させ、移植用の基質を簡易な手法で生産するための条件を明らかにすることを目的とした。
成果の内容・特徴
  1. 江差町付近におけるフシスジモクは、5月下旬から6月中旬の水温15℃前後の時期に成熟し、大量に卵を得られることが明らかとなった。卵は長径が120μm程度の楕円形であるため、150μmのプランクトンネットで濾過し、100μmのプランクトンネットで受けることで動物や海藻片などの混雑物をほとんど取り除くことができた。ここで混雑物を可能な限り取り除くことは、他の生物が育成水槽中に増殖することを防ぎ、育成環境を安定させるために重要であった。
  2. 平成11~12年度の試験では、水槽上面の日中の最大照度を2,000~3,000lux前後として育成し、約2ヶ月間の育成で2mm前後に生長させることができた。平成13~14年度の試験では、海水を1.5L/分前後で注水し、水槽上面の日中の最大照度を10,000lux程度として育成し、2ヶ月で8~10mm程度に生長させることができた。
  3. 水槽でコンクリートを主原料とした基質上にフシスジモクを育成する場合、育成海水のpH上昇とそれに起因するとみられるフシスジモクの枯死が起こったため、注水を施して水質を安定させる必要があることが明らかとなった。
成果の活用面・留意点 簡易な設備で生産が可能であるため、海水を取水できる既存の種苗生産施設などを転用でき、事業規模での生産が容易であると思われる。
フシスジモク以外のホンダワラ類(ヒバマタ目海藻:アカモク、ウガノモクなど)の藻場造成においてもほぼ同様の手法で育成可能である。
図表1 229584-1.png
図表2 229584-2.png
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