晩期にヤナで漁獲されるアユの河川への放流効果

タイトル 晩期にヤナで漁獲されるアユの河川への放流効果
担当機関 滋賀県水産試験場
研究期間 2003~2003
研究担当者 環境病理担当 山本充孝
滋賀県水産試験場 生物資源担当 片岡佳孝 臼杵崇広 藤原公一
発行年度 2004
背景・ねらい 琵琶湖流入河川のヤナで漁獲されるアユは、河川へ放流するとナワバリを持ちやすく友釣りでよく釣れるなど、その種苗性の高さから河川放流用種苗の中心であった。しかし、冷水病の蔓延により放流後にへい死する場合があり、今日では放流用種苗としてあまり利用されていない状況にある。
そこで河川水温が上昇し冷水病が終息すると考えられる7月中旬以降にヤナで漁獲された種苗(晩期ヤナアユ)の県内河川への放流とその効果検証が、滋賀県河川漁業協同組合へ委託して行われた。当場ではその数的データの収集と解析を行った。
成果の内容・特徴
  • 2003年7月23日に姉川のヤナで漁獲されたアユに加温処理(25℃~28℃、4日間)を行った後、7月29日に犬上川試験漁場(図1)に70kg(7194尾)を放流した。放流サイズは、平均9.7gであった。
  • PCR法で冷水病菌の保菌状況を調べたところ、加温処理前は60尾中55尾で陽性であったが、加温処理後は60尾全てで陽性魚は確認されず、冷水病菌を完全に除菌することができた。
  • 放流された晩期ヤナアユは、放流地点より上流へほぼ均等に分散した。台風に伴う増水で一時的に魚影は薄くなったが、河川水温および河床状況が回復した8月20日頃から友釣りでよく釣れた(図2、図3)。
  • 友釣りで釣れた晩期ヤナアユのサイズ(8月21日~24日)は平均全長135mm、平均体重22.4gであった。友釣りによる釣果(8月下旬~9月中旬)は6時間当たり平均28尾/人、引っかけや投網(ともに9月1日以降)では6時間当たり平均180尾/人でともに良好な成績が得られた。
  • 晩期ヤナアユの放流時期は、河川水温の上昇時期や付着藻類現存量の2度目の増加ピークと重なり、河川環境としては良好であった(図4)。また、友釣りで好釣果を迎えた時期(8月下旬)は、付着藻類現存量の回復期と一致していた。
成果の活用面・留意点 春の通常放流(4月~5月)と晩期ヤナアユの放流を組み合わせることで解禁から漁期終盤まで良好な釣果が期待できる。また、漁場を有効に活用することができる。
図表1 229627-1.png
図表2 229627-2.png
図表3 229627-3.png
図表4 229627-4.png
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